香害をなくす連絡会と香害をなくす議員の会が、この間、日本石鹸洗剤工業会に書面で質問した内容、それに対しての回答の要約を掲載します。
2024年1月22日に日本石鹸洗剤工業会にオンライン署名サイトchange.orgの 「STOP!マイクロカプセル香害」の署名8889筆を提出しました。その際に地方議員10数人とともに面会を申し込みましたが断られました。何度か面会を申し込みましたが断られ、書面での質問には回答するとのことでしたので、その後、3回ほど質問を送り、書面で回答を得ました。
香害をなくす連絡会と香害をなくす議員の会は、署名した8889の人々の声を届けるべく質問しているので、回答は公表すべきであると考えていますが、日本石鹸洗剤工業会は、「回答は不特定多数の方への回答ではないため、公表は固くお断りする」とのことでした。製品の安全性に関わる回答が、個別団体への回答と不特定多数の方への回答で異なること自体がおかしいことです。
したがって、回答の文面は掲載しませんが、内容を要約して掲載します。製品の安全性を証明する説明は何一つなく、香害の原因はあくまでも製品使用者の使用量が適切でないこととし、工業会は適正量の使用を“啓発”していくというスタンスです。
1回目の質問
マイクロカプセルについての質問を送りました。
1回目の回答
「ご質問の前提となる写真等については、詳細が不明な箇所もございますので、当工業会としても慎重に対応させて頂きたく、回答致しかねるところもございます」との回答。
●私たちは、マイクロカプセル画像を提示しながら、かなり詳しい内容を質問しているのに対して、工業会からは何一つ具体的な回答が書かれていません。そこで、私たちは質問を整理し、具体的な説明を求めるために、再質問することにしました。
2回目の質問
2回目の回答
1〜3については会員各社において、安全に使用できることを確認していると理解している。香料成分についてはIFRA(国際香粧品香料協会)に準じている。
4については、柔軟剤等の香りにより体調を崩される方がいらっしゃるという声が寄せられていることは承知しているので、周囲への配慮、使用量の目安について啓発を継続していく。
5については「香りが移って物品を汚損する」といった事態は認識していない。
●私たちは、2回目の質問で、5項目について、具体的な回答をお願いしたにも関わらず、まとめた回答がされてきました。まとめた回答ではなく大手3社個別に回答をしてもらうために再々質問を送ることにしました。「移香」に関しては、事態を認識していないというので資料も添付することにしました。
3回目の質問
「移香」に関しての添付資料
移香アンケート 香害をなくす有志の会(WEB調査)
実施期間:2022年1月22日〜2022年2月11日
3回目の回答
1については試験方法は各社とも公表していない。各社の安全性に対する考え方のリンク掲載。
2については前回と同じ回答。
3については安全に使用できることを確認している。
4に関しては前回と同じ回答に加え「当工業会としては、カプセル香料の使用を中止にする動きは認識していない」との記載。
5については「香りが移って物品を汚損する」といった事態は認識していない、と前回と同じ回答に加え、香りが付いた衣類を数回洗たくと乾燥を繰り返すことで徐々に香りが弱くなる設計となっている、との記載。
◎これまで3回の質問をしてきましたが、工業会が主張している「安全性」が一体何を示しているのかが、具体的には示されていない状態です。しかも、「移香」については認識していないことを繰り返し、また、カプセル香料の使用を中止する動きもない様子です。8889筆の署名を一顧だにしない姿勢を貫いています。