日本消費者連盟
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【声明】日本消費者連盟は安倍元首相の「国葬」に強く反対します(2022年8月3日)

 

【声明】日本消費者連盟は安倍元首相の「国葬」に強く反対します

 

岸田内閣は、9月27日に安倍晋三元首相の「国葬」を行うことを閣議決定しました。しかし、戦後最長と言われる安倍政権下においては、日消連が掲げてきた「すこやかないのちを未来につなぐ」ことに逆行する政治が行われ、立憲主義を破壊してきました。また、「国葬」を行うことは、憲法および現行法制に反するものです。

すでに多くの市民団体などから「国葬」に反対する声が上がっています。私たちも以下のことから、改めて「国葬」を執り行うことに強く反対し、閣議決定の撤回を求めます。

 

1、「国葬」に法的根拠がない

戦前にあった「国葬令」は、1947年の日本国憲法の施行にともない失効し、その後、法的根拠となるものはありません。戦後唯一「国葬」が行われた吉田茂元首相の場合も、法的根拠がないことは明白でした。今回、岸田内閣では「内閣府設置法」での「国の儀式に関する事務」を根拠としていますが、ここに「国葬」が含まれる根拠にはなりません。

また、「国葬」は全額を国費によってまかなわれます。憲法では国費の支出は国会の議決が必要と規定されています。野党が求める国会での論議も行わずに、閣議決定だけで強行することは、民主主義をないがしろにするものです。

 

2、基本的人権を侵すものである

政府は今回の「国葬」にあたり、「国民に喪に服すよう強制するものではない」としています。しかし、国の名で葬儀が行われ、国費を支出することは、すべての国民が弔意を強制されることに等しいものです。また、公共機関や学校などで「国葬」にあたって半旗の掲揚など何らかの弔意の表明を強要されることは、これまでの経緯からも十分考えられます。これは憲法19条の「思想・信条の自由」など基本的人権を著しく侵害することにつながります。

 

3、安倍政治の問題を封印することになる

岸田首相は「国葬」とする理由に、安倍政権での内政・外交での成果を上げています。しかし、数の力によって、憲法解釈を捻じ曲げた「集団的自衛権」の行使容認や、「特定秘密保護法」「共謀罪法」の制定など、日本を「戦争をする国」に大きく舵を切り、憲法改正を主張してきました。

また、森友・加計学園事件、「桜を見る会」疑惑など、政治の私物化ともいえる事態が相次いだにも関わらず、国会では度重なる虚偽答弁等で事実関係を明らかにせず、文書の改竄や文書廃棄を行って、何ら説明責任を果たすことはありませんでした。

さらに、安倍元首相は「日本を世界で一番企業が活躍しやすい国にする」と明言し、その言葉通り、企業の内部留保増大や株価上昇の傍ら、経済格差は拡大し、賃金は押さえられてきました。私たちが求める食の安全や環境などにおいても、規制緩和や企業活動優先の施策が続けられ、生活者の権利や安全が奪われてきました。

 

「国葬」の強行は、こうした安倍政権の問題点と責任を封印することにつながります。今こそ、疑惑の徹底解明と安倍政治の検証、説明責任こそ必要です。

 

2022年8月3日
特定非営利活動法人 日本消費者連盟

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