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子宮頸がんワクチンの勧告についての質問状と要望書を提出

自治体、学校現場での混乱を避けるため、勧告について、厚生労働大臣、厚生労働省健康局長、厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会部会長あてに質問と要望を行いました。

2013年6月18日

厚生労働大臣    田村 憲久 様

厚生労働省健康局長 矢島 鉄也 様

厚生科学審議会

予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会

部会長 桃井 眞里子 様

 

特定非営利活動法人日本消費者連盟

                             共同代表 古賀 真子

真下 俊樹

山浦 康明

ワクチントーク全国

                         事務局   青野 典子

                           栗原  敦

                               母里 啓子

 

 

平成25年6月14日健発0614第1号

「ヒトパピロマウイルス感染症の定期接種の対応について(勧告)」についての

ご質問および要望書

 

冠省 日頃、国民の健康のためにご尽力いただきまして、誠にありがとうございます。

早速ですが、子宮頸がんワクチンは、2013年4月からは、予防接種法上の定期接種とされましたが、2013年6月14日の2013年6月14日の厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会(以下、検討部会という)において、接種勧奨の一時中止が決められました

日本消費者連盟とワクチントーク全国は、2010年9月1日に、副作用が多発し、予防効果も不明な子宮頸がんワクチンを公費負担することは疑問であるとして、「子宮頸がんワクチンの公費助成に反対する申入れ」を長妻厚生労働大臣(当時)あてにしました。2011年12月19日には、毎年1000億円超の莫大な国費を投じて緊急接種事業とされていることに対して、小宮山厚生労働大臣(当時)あてに、子宮頸がんワクチンの事業についての公開質問状を出すなどしてきました。2013年3月1日には貴省の担当官と面談し、定期接種化に反対であること、被害者の実態は過酷である旨の説明等をさせていただきました。

6月14日に日本消費者連盟とワクチントーク全国は、接種の中止と検証の要請文を厚労大臣と検討部会長座長あてに提出しましたが、検討部会において、接種の積極的勧奨の中止を決断されたことは、副作用を多発しながら接種継続を続けてきた従来の予防接種行政を転換するものとして評価し、歓迎するものです。

しかしながら、自治体、学校現場での混乱を避けるため、勧告について、以下の点について、ご質問および要望をさせていただきたいと思います。ご多忙の折に恐縮ですが、6月30日までに文書にてご回答いただきますようお願い申し上げます。

一 ご質問

1 子宮頸がん予防ワクチンという名称について

本勧告は、ヒトパピロマウイルス感染症の定期接種の対応とされていますが、接種対象者のためのちらしは「子宮頸がん予防ワクチン」とされています。

現在日本で採用されている、サーバリクスもガーダシルも海外ではHPVワクチンと称されていますが、日本においてのみ、「子宮頸がん(予防)ワクチン」と呼ばれていることついては、事業接種として行われている際にも、13年6月7日に阿部知子衆議院議員が厚労大臣にこの名称について質問した際にも、「おかしい名称」だと疑問がもたれていました。

今回の勧告では、「ヒトパピロマウイルス感染症の定期接種」とか、「ヒトパピローマウイルス様粒子ワクチン接種」として、「子宮頸がんワクチン」という名称が使われていませんが、勧告が、周知されているワクチンとは別物との誤解を与えかねません。

地方自治法第245条の4第1項の勧告は、「普通地方公共団体の事務の運営その他の事項について適切と認める技術的な助言若しくは勧告をするために行われる」ものですが、勧告文とちらしにおいて、別の名称を使うことは、いたずらに混乱を生ぜしめるものです。

今回の勧告では、「ヒトパピロマウイルス感染症の定期接種」と称されていますが、なぜ「子宮頸がんワクチン」といわないのか、その理由を教えてください。

2 積極的勧奨の意味について

予防接種法第八条は、「市町村長又は都道府県知事は、第五条第一項の規定による予防接種であってA類疾病に係るもの又は第六条第一項若しくは第三項の規定による予防接種の対象者に対し、定期の予防接種であってA類疾病に係るもの又は臨時の予防接種を受けることを勧奨するものとする。」とされています。

(1)ここに勧奨とは、任意接種と異なり、接種対象者に対する接種の勧奨を積極的に国の責任において行う反面、「悪魔のくじ引き」といわれる、避けることのできない副作用による死亡や重篤な障害を国の責任において救済するというのが、法のたてつけです。積極的勧奨をしない定期接種というものは本来ありえないはずですが、本ワクチンについて積極的勧奨をしないがA類型の定期接種であるとはどのような意味かご説明ください。

(2)勧告1で「予防接種法第8条の規定による当該接種の勧奨を行うに当たっては、市町村長は、接種の積極的な勧奨とならないよう留意すること。」の意味が、自治体では個別通知をしないことというように理解されているようです。自治体は定期接種化に向けて莫大な予算を計上しています。どのような行為が積極的勧奨となるのかを具体的に教えてください。

3 接種対象者への説明について

勧告3では、「市町村長は、管内の医療機関に対して、ヒトパピローマウイルス感染症の定期接種の対象者等が接種のために受診した場合には、積極的な勧奨を行っていないことを伝えるとともに、接種を受ける場合には、ヒトパピローマウイルス様粒子ワクチン接種の有効性及び安全性等について十分に説明した上で接種することを周知すること。なお、同ワクチンの有効性及び安全性等について記載した説明用資料については、別紙のとおりである。」とされています。

(1) ここでも「子宮頸がんワクチン」としていない理由の説明が必要です。また、積極的勧奨を行わないものの、有効性とリスクを理解した上で受けろということは、接種対象者に過大な負担を負わせるものであり、十分な説明が必要です。「ヒトパピローマウイルス様粒子ワクチン接種の有効性及び安全性等について十分に説明した上で接種すること」とされていますが、十分な説明とはどのような説明であるのか教えてください。

(2) 説明用資料のちらしは、「子宮頸がんは若い女性に2番目に多いがん」としていますが、若い人への罹患は増加傾向にあるものの、がんが発病するのは中年以降で、死亡は高齢になってからです。「感染しても多くは自然に排出される」と一応書いてありますが、ワクチン接種によって予防できることが「期待」される程度であり、予防効果が絶対的とはかいてありません。また、WHOが接種を推奨し、多くの先進国では公的接種として、あたかも接種をしないのは後進国であるかのような書きぶりですが、ワクチンが対応しているのは、16型と18型に限定され、それらの感染や異形成には予防効果があるものの、これに引き続いて起きる子宮頸がんの予防効果は「期待」されている段階です。ワクチンの効果について、あいまいな書き方がされており、効果の持続期間についても実証されていないのが現実です。

また、検診の必要性、有効性は最後に小さく載せてあり、ちらしは全体的に積極勧奨はしないが、接種により有効性を強調する内容になっており、情報提供として偏っていると言わざるを得ません。

まれに思い副反応もあるとしていますが、頻度の低いものを挙げた上、ワクチン接種と関係がないと思われる報告も含まれると注記しており、全体として、副作用はきわめてまれと印象づける内容となっています。

引用されている厚労省のホームページも、安全性のQ&Aでは、「 現在報告されている副反応は他のワクチンよりも報告頻度が高い傾向のものもありますが、その多くは血管迷走神経反射によると思われる一過性の失神によるものです。定期的に開催されている専門家による会議では、これまでの発生状況を踏まえ、接種の中止等の措置は必要ないとの評価を受けています。」としています。

今回の積極勧奨中止は、被害の甚大さを顧慮したものであり、それ自体国民の側にたった英断といえます。しかしながら、ちらしの表現の曖昧さや、誘導的表現、厚労省のホームページのQ&Aの説明書きは、積極的勧奨と思われる書きぶりであり、今回の勧告と矛盾するものと思われますが、変更すべきではありませんか。

4 接種にかかる費用の変更承認について

地方自治体は定期接種化に向けて莫大な予算を計上しています。今回の積極勧奨中止により、自治体での接種率は低下すると思いますが、その場合交付金の使途の変更承認についてはどのようにお考えですか。

5 副反応事例についての調査について

勧告5では、合同会議において「調査すべきとされた副反応症例について、可能な限り調査を実施した時点で、速やかに専門家による評価を行い、積極的な勧奨の再開の是非を改めて判断する予定であること。」とされていますが、すでに、事業接種の時からの副反応の蓄積があり、まずこれについての追跡調査をすべきであると思いますがいかがですか。

二 今後の対応についての要望

(1)以上の質問の下線を付した部分に対して、お答えいただくことを要望いたします。

(2)今回の措置については、英断と評価するものですが、従前より要望していますように、「積極的でない勧奨」というものが現行法から矛盾することからも、子宮頸がんワクチンを定期接種から外すことを要望します。

(3)仮に、厚労省が、副作用被害の甚大さに基づき、自然的接種控えを目的としての「積極的接種勧奨の中止」であり、定期接種として、国が責任をもって被害救済をするという深慮によるものであるとしたら、その旨を明言していただくことを要望します。

(4)その場合には、すでに莫大な予算化を行っている地方自治体に対して、交付金使途の変更承認を推奨するとともに、これまでの被害者に対する積極的な被害の掘り起しと救済に予算を使うことを要望いたします。

(5)審議会で継続を主張する、メーカーから寄付金を受領している委員の発言や、仮に中止しても早い再開を求める意見なども出る中、今やるべきことは、定期接種の中止と、子宮頸がんという病気やこのワクチンの真実の実力を国民に正確に説明していただくことを要望します。

                                     以上

 

連絡先:特定非営利活動法人
 日本消費者連盟(古賀)
〒169-0051 東京都新宿区西早稲田1-9-19-207
Tel: 03-5155-4765
Fax: 03-5155-4767

(共同代表 古賀真子)

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