「上流は下流を思い、下流は上流に感謝する」を合言葉に、木曽川(※)上下流交流・連携の活動を始めたのが2008年。もう10年以上取り組んでいる。昨年で木曽に出かけたのが20回を超えた。観光で行くわけでなく、移住を考えているのでもない。上流の何が魅力的なのか。私の原動力は「人に会いに行くこと」だ。
上流の高校3年生に毎年、木製のおもちゃづくりを依頼し、その木製玩具を名古屋市科学館2階にあるウッディ・プレイランドに寄贈している。長年の取り組みで20を超える作品が、子どもたちを楽しませている。
毎回、高校生のみずみずしい感性に感動する。彼らの作品作りでの苦労話を聞きながら話し合う。楽しい時間だ。今年は3人の男子高校生が作品作りに精を出している。上流で、働き、暮らしている人びとに出会って、今日まで続けている。
木曽川源流の里・長野県木祖村に約180坪の畑を借りて大豆作りを始めて、今年の5月には10年目になる。「行きつけの場」を作り、人びとと顔の見える関係を築いていきたいと考えた。地元の人びとから支援を受けながら続けている。大豆は木曽町の小池糀店で味噌にしてもらっている。
関係の中で、自分が生きている、活かされていると感じる。“幸せの価値”を発見する。“人が動き、モノが動き、ココロが動いて”関係が積み重なっていく、木曽川上下流交流・連携を続けて行く。
※木曽川は、長野県から岐阜県、愛知県、三重県を経て伊勢湾に注ぐ川。
(かわさき のりお)