緊急声明
「新型コロナウイルス感染症対策の抜本的取り組みを求めます」
新型コロナウイルス感染症拡大が止まりません。それに対する抜本的な対策が取られず、経済優先政策が進められ、Go Toトラベルのような感染拡大を招く政策が進められてきました。加えて、昨年改正された新型インフルエンザ等対策特別措置法をさらに改正して、罰則を強化するなど、強圧的対応で乗り切ろうとしています。これは感染症対策としては本末転倒といえます。
オリンピックもすでに開催できるような状況にないにもかかわらず、いまだに中止決定に至っていません。政府やオリンピック推進者は最後の手段としてワクチン接種をあおっています。しかし、現在欧米で開発され接種が進められているワクチンは、これまで経験したことがない人間の遺伝子を組み換える新型バイオワクチンであり、有効性や安全性に疑問があります。しかも接種が医療関係者や高齢者、あるいは高齢者の施設で働く人たち、さらにはオリンピック出場を期待されているアスリートらに強制化される危惧があります。
今回の感染拡大によって大きな影響を受けているのは、高齢者や病気の人など社会的弱者です。そしてコロナ禍のいま、社会全体で貧困層が増え、まともに食べられない、当たり前の暮らしができない人が増えています。政府の新型コロナ感染症対策はこうした状況にあえて目をつむり、むしろ感染により命の危機にさらされる人たちをつくり出しているとさえいえます。大事なのは、貧困や病弱な人たちへの手厚い支援体制の早急な確立であり、もとより貧困をなくしていくことです。
また、現状ではウイルスが変異して、繰り返し私たちを襲ってくることも十分考えられます。そうなるといつ今回の感染症が終焉を迎えるのか分からなくなります。いまこそ抜本的な対策が必要です。私たちは、消費者・生活者の立場から、当面以下のようなことを市民社会に訴えると同時に、議会及び自治体・中央政府にその方向に歩み出すことを求めます。
1、今回の感染症拡大要因となったGo Toトラベルなどの需要喚起策を中止すること。
2、2021年夏に予定されているオリンピック・パラリンピックを取りやめること。
3、生活の隅々にまで権力による監視を張り巡らせ、人権侵害を引き起こす恐れのある罰則付き特措法の改正を行わないこと。
4、政府によるワクチン接種勧奨策は、ワクチン接種に慎重な人たちを居住場所や職場から排除する社会的排除の動きを生みかねないため、強引なワクチン接種勧奨を行わないこと。
最後に、海外からの移住者や難民申請者とその家族を含むすべての人に憲法25条が定める「生存権」を保障し、貧困に陥ることなく、安心して日常を過ごせるようにすることこそが、最強最良の感染症対策であることを訴えます。
2021年1月15日
特定非営利活動法人 日本消費者連盟