日本消費者連盟
すこやかないのちを未来へ
企業や国家の利益よりも人のいのちや健康を優先する世の中に変えたいと活動しています。

【緊急声明】東京電力の福島第一原発汚染水の海洋放出に抗議する(2023年8月25日)

 

緊急声明
東京電力の福島第一原発汚染水の海洋放出に抗議する

 

東京電力は、2023年8月24日に福島第一原発事故で発生し、タンクに貯蔵している汚染水の海洋放出を強行しました。私たちは、漁業者団体との間に取り交わした書面による約束を踏みにじり、地元福島県はじめ各地・各層の反対・懸念の表明を全く顧みないこのような暴挙に対して、強い怒りを持って抗議します。

海洋放出は、2021年4月の菅政権による方針決定に対して、さまざまな代替案などが出されたにもかかわらず、これらを何ら考慮することなく強行されたものであり、市民や当事者の意見を全く受け入れない政権の姿勢があらわになりました。

タンクに貯蔵された汚染水は、トリチウム以外は除去されたことになっていますが、実際には約7割の汚染水に、基準値を超えたセシウム、ストロンチウム、ヨウ素などの放射性物質が残っています。こうした状態で海洋放出すれば、たとえ希釈したとしても、魚介類や藻などに取り込まれ濃縮され、食卓に登場する危険性があり、私たちの健康を破壊する事態が起き得ます。また、トリチウムが生体内に入ってきた際に、極めて大きな影響を及ぼします。(8月10日付け日消連緊急声明「トリチウム汚染水はこんなに危険だ」参照)

そして、さらに大きな問題は、岸田政権が原発の再稼働・新増設、老朽原発の運転期間の延長、原発産業への支援強化など、原発推進政策に転換したことです。

日本消費者連盟は「すこやかないのちを未来へ」を掲げてきました。今回の汚染水の海洋放出や原発推進は、私たちの求める社会とは相容れないものです。政府および東京電力に、海洋放出をただちに止めるように強く要求するとともに、脱原発社会の早期実現に向けて、多くの消費者・生活者とともに進んでいく決意を表明します。

2023年8月25日
特定非営利活動法人 日本消費者連盟