日本消費者連盟
すこやかないのちを未来へ
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【運営委員ブログ】「わたしたちの未来」と「湿地の未来」(2025年5月9日)

みなさんは「湿地」に対して、どのようなイメージを持っているだろうか。

水がたまっている。ジメジメしている。虫とかニョロニョロした嫌な生きものがいる。不潔で、不気味なところ・・・。

生きもの好きには、鳥類や魚類、両生類、水生昆虫、希少な植物などの宝庫。しかし、経済的には生産性の低い土地で、埋め立てて工場や住宅地にした方が人間の役に立つと認識している人は少なくないだろう。

しかし「湿地」は、浄化システムであり、大雨や高潮の緩衝システムであり、二酸化炭素の貯蔵システムであり、そして食料生産システムである。つまり湿地を破壊することは、こうした“人間の役に立つ”システムを壊すことになる。

さて、湿地の保全と賢明な利用を目的とした「ラムサール条約」は、3年に1度締約国会議を開催している。2025年7月にジンバブエでCOP15が予定されているが、その会議のテーマが「wetland for our common future」だ。

ウェットランド(湿地)は、わたしたちの共通の未来のために存在しているのだ。「わたしたち」に、私やあなたも含まれていることをゆめゆめ忘れてはならない。

(原野好正)