日本消費者連盟
すこやかないのちを未来へ
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【質問状】育種事業における遺伝子操作技術の利用に関する公開質問状(2023年7月27日)

 

2023日消連第13号
2023年7月27日

代表者各位(※各地の農業試験場など24機関。末尾に送付先)

遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン
代表 天笠啓祐
特定非営利活動法人日本消費者連盟
共同代表 亀山亜土
共同代表 佐々木ミヨ子
共同代表 マーティン・フリッド

 

育種事業における遺伝子操作技術の利用に関する公開質問状

 

私たちは、食の安全・安心を求めて取り組んでいる消費者団体、市民団体です。
遺伝子組み換え技術やゲノム編集技術等の遺伝子操作技術(※)が育種のために利用されつつありますが、私たちは遺伝子操作の過程で起きる想定外の遺伝子の破壊・変化により健康被害や環境影響を招くことを懸念しています。また家畜等の動物の特定機能をゲノム編集等で失わせることは、病気の動物を量産することになり、アニマル・ウェルフェアの面で問題があると考えています。
多くの市民は国産の農畜産物に信頼を寄せ、国内農水畜産業の発展と食料の自給を望んでいます。私たちは種子法廃止に反対し、農水畜産業を支える市民の共有財産として公的な育種事業が維持されることを願ってきました。国内農畜産業において、安全性などに疑問のある遺伝子操作技術が使われることは、市民の願いに反するものと考えます。そうした理由から、もし貴試験場で遺伝子操作技術による育種が実施あるいは検討されているのでしたら、見直していただきたくお願いいたします。
つきましては、貴試験場での遺伝子操作技術の利用について、以下、質問いたします。ご回答は文書(FAX、メールでも構いません)にて8月10日までにお願いいたします。いただいた回答は団体のホームページ等で公開します。
※遺伝子操作技術:遺伝子組み換え、ゲノム編集、エピゲノム編集、RNA干渉、SPT(Seed Production Technology)、その他遺伝子工学を用いた育種方法

1、遺伝子操作技術による育種を実施または検討していますか。している場合、どのような生物ですか。

2、遺伝子操作技術を利用している場合、どのような理由からですか。

3、遺伝子操作技術のリスクについて議論していますか。議論しているとすれば、その議論に県民は参加していますか。また、その議論は公開していますか。

4、リスクの回避・低減のため、どのような措置を取っていますか。私たちは遺伝子操作生物の安全確保は現時点で困難と考えますが、最低限、全ゲノム解析とその評価、動物実験による安全性確認は必要と考えています。そうした安全性確認は考えていますか。

以上

※送付先
愛知県農業総合試験場
愛媛県農林水産研究所
岐阜県農業技術センター
宮崎県農業試験場
宮城県古川農業試験場
熊本県農業研究センター果樹研究所
佐賀県果樹試験場
山形県農業総合研究センター
滋賀県農業技術振興センター
鹿児島県農業開発研究センター
秋田県農業試験場
青森県産業技術センター
静岡県農林技術研究所
千葉県農林総合研究センター
長崎県総合水産試験場
長崎県農林技術開発センター
長野県農業試験場
鳥取県園芸試験場
栃木県農業試験場
富山県農林水産総合技術センター
福井県農業試験場
福岡県農林業総合試験場
兵庫県立農林水産技術総合センター
和歌山県果樹試験場