日本消費者連盟が大手食品メーカー23社に食品添加物の使用に関する質問状を送ったところ、8月31日までに18社から回答がありました。
今回は添加物の中でも子ども向けお菓子等によく使われている人口甘味料と合成着色料について質問したほか、食品添加物の安全性について各社の考えを聞きました。回答率は78%と高かったものの、回答のあった18社中12社は個別の質問には答えず、自社の主張を書いてきたため、甘味料や着色料という消費者の関心が高い添加物についてどう考えているか、きちんと知ることはできませんでした。
一方、日清食品、森永乳業、東洋水産、キユーピー、宝ホールディングス、江崎グリコの6社は、こちらの質問にきちんと対応。添加物の安全性に対する考え方(回答は選択形式で、複数回答可)は、6社すべてが「国が安全性を確認しているので、基準通りに使用していれば安全上の問題はない」を選択しました。宝ホールディングスと江崎グリコは「消費者が不安に思っている食品添加物はできるだけ使わない」も選び、宝ホールディングスは「国の安全性確認には限界があると考えるので、慎重に対処すべき」という回答も選択しました。
消費者はメーカーに「できるだけ添加物は使用しないでほしい」という声を届けることが大切です。
なお、8月末までに回答がなかったのは、コカ・コーラボトラーズジャパン、キッコーマン、森永メグミルク、ヤクルト、伊藤園の5社です。
| 企業名 | (質問1)今世紀に入り、欧米で人工甘味料の摂取と種々の疾病のリスクについて疫学調査の報告があります。貴社はこのことを知っていますか。 | (質問2)人工甘味料(アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、サッカリン、アドバンテーム、ネオテーム)及びステビアの使用について、現状と今後についてお答えください。 | (質問3)米国での合成着色料のタール系色素の順次規制が伝えられていますが、貴社はどのようにお考えですか。 | (質問4)食品添加物の安全性について、貴社の考えに近いものはどれですか。(複数回答可) |
| アサヒグループホールディング | 食品添加物の使用に関しては、お客様の意識や要望、社会環境などの要因を踏まえながら、判断していく必要があると考えております。今後も弊社では安全性にかかる科学的知見や使用実態等の情報収集に努め、国際機関や諸外国における動向等も注視し、必要に応じて対応の要否について検討してまいります。 | |||
| キリンホールディング | 甘味料、着色料をはじめとする食品添加物の使用に関しましては、国の法令や指針等を遵守した対応を行なっております。今後も国内外の情報などを注視・収集するとともに、科学的知見に基づき適切な対応の検討を続けてまいります。 | |||
| サントリー食品インターナショナル | 弊社においては、食品衛生法など国内の関連法規に適合した安全な原料であることを確認したうえで、食品添加物を必要に応じて使用しております。安全性については、国内外の動向を引き続き注視していきます。今後も、商品コンセプトに最適な原料を選択し、お客様にご安心いただける製品をお届けするよう取り組んでまいります。 | |||
| 味の素 | 味の素グループでは、製品の開発・製造にあたり、国の法令や指針を遵守し、添加物の安全性の最新情報のもと、適切な食品添加物を吟味選択し、使用しています。今後もお客様に喜んで頂ける製品をお届けできるよう努めてまいります。 | |||
| 日本ハム | 今回ご質問頂きました、食品添加物の使用に関し、弊社では国が定める基準に則り、適切な使用に努めておりますので、個別に回答することは差し控えさせていただきます。引き続き、国際的な動向にも注視しながら、安全で、質の高い商品の提供に努めて参ります。 | |||
| 山崎製パン | 当社は、製造工程において、品質の維持向上のために必要不可欠な食品添加物を食品衛生法の基準に基づき、必要最低限の範囲で適正に使用しています。 | |||
| 明治ホールディング | 食品添加物は、国の専門機関によって厳密に科学的は評価がなされ、安全と評価されたもののみが使用可能となっております。また、添加物によっては、安全性評価の結果から使用用途や使用量の基準が設定されております。当社製品に使用する食品添加物は、食品衛生法で認められたものを定められた基準にて使用しており、健康上の問題は無いと考えております。なお、「食品添加物の使用に関する質問」の個別(4点)への回答は差し控えさせていただきます。 | |||
| 伊藤ハム米久ホールディング | 弊社では、栄養バランスの取れた食生活が重要であると考えております。食品添加物については、日本の法令および基準を遵守するとともに、国際的な動向にも留意しております。使用にあたっては、目的とする効果を発揮するために、必要最小限の使用量となるよう自主基準を設け、その範囲内で使用しております。なお、特定の食品添加物に関するご質問には回答を差し控えさせていただきます。 | |||
| コカ・コーラボトラーズジャパンホールディング | 回答なし | |||
| 日清食品ホールディング | 1.知っている | 5.使用しているが、今後は未定 | 3.使用しているが、使用中止を検討する (日本や米国の製品については使用していない。その他の海外製品についても僅かな製品で使用しているが代替検討中) |
1.国が安全性を確認しているので、基準通りに使用していれば安全上の問題はない 4.食品添加物はメーカーだけでなく、消費者にも有益だ 6.海外の情報などを収集して対応の参考にしている |
| キッコーマン | 回答なし | |||
| ニチレイ | 弊社グループは、甘味料や着色料などの食品添加物の使用にあたっては、国の法令や指針を遵守し、安全性に配慮した商品づくりを行っております。今後とも、お客様に安心してお選びいただける商品及びサービスの提供に努めてまいります。 | |||
| 雪印メグミルク | 回答なし | |||
| 森永乳業 | 1.知っている | 5.使用しているが、今後は未定 | 5.使用しているが、今後は未定 | 1.国が安全性を確認してしているので、基準通りに使用していれば安全上の問題はない 6.海外の情報などを収集して対応の参考にしている |
| サッポロホールディング | 弊社商品では食品添加物を法令に則り適切に使用し、使用した場合は法令に則り適切に表示を行っております。添加物の安全性については国内外の動向を引き続き注視していきます。弊社では、引き続きお客様に安全・安心な商品・サービスをお届けすることを最優先に取り組んでまいります。 | |||
| 東洋水産 | 1.知っている | 2.使用していないが、今後は未定 | 5.使用しているが、今後は未定 | 1.国が安全性を確認しているので、基準通りに使用していれば安全上の問題はない |
| ヤクルト本社 | 回答なし | |||
| キユーピー | どの報文(報告)のことを指しているか分かりかねますが、当社として収集可能な報文などの情報は把握しています。 | アスパルテーム、サッカリン、アドバンテーム、ネオテームの使用実績はありません。アセスルファムカリウム、スクラロース、ステビアは使用実績があり、今後も使用する可能性があります。 | 当社ブランド商品について、当該物質の使用実績はなく、今後も使用の予定はありません。 | 食品添加物は安全性と有効性を国や国際機関で審査されて許可されており、その使用基準等を守って使用する限りは問題ないと考えています。自社の判断として、懸念がある食品原料や食品添加物は使用を控えることがあります。 |
| 伊藤園 | 回答なし | |||
| プリマハム | ご質問いただきました食品添加物の使用につきまして、弊社では国が定めた法令等に基づき必要な範囲で使用しておりますので、特定の添加物に対して個別に回答することは差し控えさせていただきます。 | |||
| 宝ホールディング | 1.知っている | 4.使用しており、今後も使用する | 1.使用していないし、今後も使用しない | 1.国が安全性を確認しているので、基準通りに使用していれば安全上の問題はない 2.国の安全性確認には限界があると考えるので、慎重に対処すべき 5.消費者が不安に思っている食品添加物はできるだけ使わない |
| 江崎グリコ | 1.知っている | 5.使用しているが、今後は未定 | 1.使用していないし、今後も使用しない | 1.国が安全性を確認しているので、基準通りに使用していれば安全上の問題はない 5.消費者が不安に思っている食品添加物はできるだけ使わない 6.海外の情報などを収集して対応の参考にしている |
| カルビー | カルビーグループは、食品添加物を、食品表示法・食品衛生法など食品の製造販売に係る法令が定める種別・使用量・使用法を遵守して使用し、表示しています。今後も安全・安心な商品をお客様に提供するため、努めて参ります。 | |||