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もんじゅを廃炉に! 立地・近隣自治体首長に要請

高速増殖炉「もんじゅ」がひとたび事故を起こせば、福島原発をはるかに超える壊滅的被害! 日本中が原発の「地元」です。

日消連は、2011年12月01-02日に、高速増殖炉もんじゅの立地自治体である福井県と敦賀市、そして近隣自治体である滋賀県、長浜市、高島市の各首長宛に、国に対して「もんじゅの廃炉」を要請するよう促す要請を行いました。


高速増殖炉「もんじゅ」は、次のような点で福島原発などの軽水炉よりもさらに危険です。

    1. 核暴走しやすい
      核分裂の速度が速いので、数千分の1秒で制御不能になってしまいます。また、小さな炉のなかに核燃料を密集させた構造(軽水炉の約10倍の密度)であるため、燃料棒のわずかなたわみなどの変形で核分裂が不安定になり、暴走しやすいのです。また、燃料棒から熱を運ぶ冷却材に水のような減速材を使わず、ナトリウムを使うことで中性子を高速に保っているため(高速増殖炉の「高速」はここから来ている)、緊急時に制御棒を挿入しても効きが遅くなります。
    2. 冷却材のナトリウムは水と激しく反応する
      冷却材に使われているナトリウムは、空気に触れるだけで燃え出し、水に触れると爆発します(ビデオ参照)。1995年にはナトリウム漏洩事故を起こし、鉄が溶け、コンクリートがボロボロになりました。もんじゅのなかには、このナトリウムが約1,700トン入っています。大事故が起きても、福島原発のように水を掛けて冷却することはできません。おそらく、なすすべもなくただ見ているほかなくなるでしょう。
      【YouTubeより】
    3. 燃料のプルトニウム自体が猛毒
      プルトニウムは、1グラムで数百万人にガンを起こすことができると言われる猛毒で、半減期は24,000年。もんじゅの原子炉のなかには、そのプルトニウムが1.4トン入っています。
    4. 地震に弱い
      冷却剤のナトリウムが高温のため、配管が熱で大きく伸縮します。そのため、もんじゅでは厚さが10mmという肉薄の配管を使わざるを得ず(軽水炉では70mm)、しかも曲がりくねった長い配管が複雑に交錯した構造になっています。このため、地震にきわめて弱くなっています。もんじゅの直下には活断層があると見られています。
      【YouTubeより】

こうした安全性の面にとどまらず、炉内で生み出されるプルトニウムから容易に原爆が作れるため、日本の核武装につながる恐れがあります(実際、石破茂自民党政調会長は「原子力は日本の潜在的核抑止力になる」と発言しています)。国際的にもそのような眼で見られています。

経済的にももんじゅを続ける意味はありません。「使った燃料よりも多くの燃料を生み出す夢の原子炉」と言われてきた増殖炉ですが、もんじゅの場合、増殖の目安となるプルトニウムの倍増時間は90年とされています。原子炉の寿命を30年とすれば、もとの燃料と同じ量のプルトニウムを生み出すのに、3回も建て直して運転を続ける必要があるということです。

もんじゅにはこれまでに関連施設を含め総額約1兆810億円が投入されています(会計検査院調べ)。もんじゅは原型炉と呼ばれる、商業利用の一歩手前の段階の施設ですが、稼働してから17年間で動いたのはわずか200数十日間。止まっている間も、冷却材のナトリウムを循環させ続けなければならず、そのための電気代が毎日5,500万円、年間200億円も掛かっています。このお金は原発震災被災者の救済と復興に使うべきものです。

そのためには、できるだけ早くもんじゅの廃炉を実施する必要があります。フランスでは1998年に高速増殖炉スーパーフェニックス炉(120万kW)の廃炉を決め、以来プルトニウム燃料の抜き取り、ナトリウムの抜き取りとコンクリート固化、タービン建屋の解体などの廃止作業を進めています。

(日消連共同代表 真下俊樹)

2011 日消連第 29 号

2011年12月2日

滋賀県知事 嘉田由紀子 殿

特定非営利活動法人 日本消費者連盟
共同代表 天笠 啓祐
古賀 真子
真下 俊樹
山浦 康明

要請文
滋賀県として国に対し「もんじゅの廃炉」を要求してください

3 月 11 日の東日本大震災に伴う東京電力福島第一原子力発電所の事故は、わが国の歴史上、戦争にも 匹敵する災禍を生んでいます。福島原発周辺の 11 万という人々の生活基盤が根こそぎ奪われ、さらに多 くの人々が被曝の恐怖に日々晒されながら暮らしています。福島原発から遙かに離れた地域でも、野菜、 原乳、魚、お茶など食品から放射性物質が検出され、東北をはじめ広範囲の多くの生産者が風評被害と 実被害に苦しんでいます。首都圏でも除染が必要なほどのホットスポットが確認され、放射能汚染の脅 威と恐怖は現地の人びとだけの問題ではなく、豊かな農畜水産物の恵みをうけてきた私たち日本全体の 問題となっています。

高速増殖炉もんじゅで同種の事故が起きれば、その被害は福島原発事故の比ではなく、近畿、中部、 関東はもとより日本全体が壊滅的な被害を受けることは確実です。その意味では日本の全自治体がもん じゅの当事者と言え、この危険極まりない原子炉の廃炉を当事者として要求されることは、滋賀県民の 生命と財産を預かる知事の責務であると考えます。

他方、国全体を壊滅の危険に陥れている「原子力村」の利益集団は、あらゆる機会を捉えて核燃料サ イクルの継続による利権の復活を企てています。この旧勢力に打ち勝ち、放射能のない、希望の持てる 日本を取り戻すためには、脱原子力を求める大多数の国民だけでなく、すこやかな生命と清浄な環境が あって初めて発展を望むことができる各企業・業界、自治体など、わが国のあらゆる層が声をあげる必 要があります。なかでも、原子力施設の近隣自治体が明確な意思表明をすることの意味と影響力は極め て大きいと言わねばなりません。

なお、高速増殖炉の廃止工事については、ご承知のようにすでにフランスのスーパーフェニックス炉 で実施中であり、これまでのところ技術的なボトルネックはないことが実証されています。

以上の理由から、滋賀県知事として、国に対し「もんじゅの廃炉」を要求していだだきますようお願 いいたします。

(連絡先) 特定非営利活動法人日本消費者連盟

〒169-0051 東京都新宿区西早稲田1-9-19アーバンヒルズ早稲田207
TEL03-5155-4765
fax03-5155-4767


*同様の内容の要請書を福井県知事、敦賀市長、高島市長、長浜市長宛てに提出しました。


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