日本消費者連盟
すこやかないのちを未来へ
企業や国家の利益よりも人のいのちや健康を優先する世の中に変えたいと活動しています。

消費者の声で子どもの身の回りの塩ビ製品の素材変更を!

2012年5月1日、日消連は、全日本空輸株式会社 が航空機に搭乗した子どもにプレゼントしているPVC(玩具安全基準適合可塑剤使用)の航空機のおもちゃについて、素材の変更も求める要請文を出し、同社から素材を見直すとの回答を得ました。また、2012年11月12日には、日消連の会員から、東京急行電鉄株式会社が駅で配布している「マタニティマーク」の材質がPVCで、特有のにおいがして使用できなかったとの報告があったために、同社に対して素材変更の要請をしたところ、こちらも変更するとの回答を得ました。

塩化ビニル樹脂(塩ビ)製品については、「作って水俣病、使って環境ホルモン、燃やしてダイオキシン」といわれてきたように、安全性に問題があるばかりでなく、環境への負荷も大きいという問題があります。軟質塩ビのおもちゃには、生殖毒性、肝機能障害などの毒性のあるDEHP(フタル酸ジエチルヘキシル)やDINP(フタル酸ジイソノニル)等その他の可塑剤が大量に添加されています。

子供向けのおもちゃや妊婦さんの身に着けるものに塩ビが使われていることは好ましくありません。可塑剤について見直しがなされてはいますが、燃やせばダイオキシンの発生源になることから、有害物質を断つという観点からは、塩ビをおもちゃに使用することをやめることが必要です。また、塩ビに慣れさせることは、子どもへの教育的効果からも好ましくありません。

日消連は、昨年、塩ビ製品の素材2件について変更の申し入れをしました。企業からは前向きな回答を頂きましたので紹介します。詳しくは「消費者リポート」に掲載します。

共同代表 古賀真子


塩ビの飛行機のおもちゃについての申し入れ

2012年5月1日

全日本空輸株式会社
代表取締役社長 伊東 信一郎 様

 

特定非営利活動法人日本消費者連盟
共同代表 天笠 啓祐
古賀 真子
真下 俊樹
山浦 康明

貴社の航空機に搭乗した子ども向けプレゼントについての要請文

 

冠省  日本消費者連盟は1969年の創立以来、個人会員制の消費者団体として、「すこやかないのちを未来に」をスローガンに、食の安全や環境など、消費者の権利を守るためにさまざまな消費者運動に取り組んできました。

早速ですが、私どもの会員から、2011年夏に貴社の国内線の航空機に搭乗したときに、「貴社が子どもに無料でプレゼントされているおもちゃのビニールの飛行機が塩化ビニール樹脂製であることに驚いた」との情報が寄せられました。材質:PVC(玩具安全基準適合可塑剤使用)。PVCの表示は、フタル酸エステル類を可塑剤に使用した塩化ビニル樹脂であることを示しています。

塩化ビニル樹脂(塩ビ)製品については、「製作時に水俣病、使って環境ホルモン、燃やしてダイオキシン」といわれてきたように、安全性に問題があるばかりでなく、環境への負荷も大きいという問題点があります。軟質塩ビのおもちゃには、生殖毒性、肝機能障害などの毒性のあるDEHP(フタル酸ジエチルヘキシル)やDINP(フタル酸ジイソノニル)等その他の可塑剤が大量に添加されています。

そのため、私たちは、特に子供向けのおもちゃについては、規制の強化を求める消費者運動を展開してまいりました。1998年に消費者団体が中心になって立ち上げた、NO!塩ビキャンペーンでは、塩ビおもちゃの添加材調査や流通業界への禁止の要望を行い、「見直そう!子どものおもちゃ実行委員会」でも、塩ビのおもちゃの禁止を求めてきました。

その後、可塑剤について、見直しがなされてはいますが、燃やせばダイオキシンの発生源から有害物質を断つという観点からは、塩ビをおもちゃに使用することをやめることが必要であり、子どもへの教育的効果からも塩ビに慣れさせることは好ましくありません。

貴社のHPを拝見しますと、「ANAグループは「エコ・ファースト企業」として自覚と責任感を持って環境保護活動に取り組んでいます ANAグループは2008年11月、航空業界および運輸業界で第1号の「エコ・ファースト企業」として環境省から認定されました。・・・また、「ANAグループは、最新鋭航空機の導入や、飛行方式の工夫、機材の改修、装備・物品の軽量化をはじめとする地球温暖化防止対策として、CO2削減のためのさまざまな取り組みを今後も引き続き継続してまいります」とされており、航空業界が厳しい国際競争が強いられる中で、環境に配慮された企業理念の下で努力を続けられていると拝察いたします。

本業における環境に配慮した取り組みを、顧客サービスにても実現していただきますようにお願いいたします。塩ビ製のおもちゃを子どもたちへのプレゼントとしていることについて、再検討していただくようにお願いいたします。

連絡先:特定非営利活動法人日本消費者連盟 (古賀真子)
〒169-0051 東京都新宿区西早稲田1-9-19 アーバンヒルズ早稲田207
℡: 03-5155-4765
fax: 03-5155-4767


 全日空株式会社からの回答

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塩ビマタニティマークについての申し入れ

2012年11月12日

東京急行電鉄株式会社
取締役社長  野本 弘文 様

特定非営利活動法人日本消費者連盟
共同代表 天笠 啓祐
古賀 真子
真下 俊樹
山浦 康明

貴社のマタニティマークの素材についての変更の要請書

 

冠省  特定非営利活動法人日本消費者連盟は1969年の創立以来、個人会員制の消費者団体として、「すこやかないのちを未来に」をスローガンに、食の安全や環境など、消費者の権利を守るためにさまざまな消費者運動に取り組んできました。

私どもの会員から、貴社が東急田園都市線の宮前平駅で配布されている「マタニティマーク」の材質がPVC(玩具安全基準適合可塑剤使用)で、特有のにおいがして使用できなかったとの報告がありました。

マタニティマークとは妊産婦を表すピクトグラム(注)で、特に妊産婦自らが身に付け、妊産婦の存在を喚起するためのマークを指します。外見からは判別し難い妊娠初期の妊産婦に対する理解を得ることを主眼として、2006年に厚生労働省雇用均等・児童家庭局母子保健課が事務局を務める「健やか親子21」推進検討会においてマタニティマークのデザインが公募により決定され、妊産婦であることをアピールするためのマークとして、民間団体や自治体により様々なマタニティマークが作成されています。デザインについては、各団体等で異なったものも採用されていますが、その材質については特に統一されていません。フォームの終わり

ご承知のように、PVCの表示は、フタル酸エステル類を可塑剤に使用した塩化ビニル樹脂であることを示しています。塩化ビニル樹脂(塩ビ)製品については、「製作時に水俣病、使って環境ホルモン、燃やしてダイオキシン」といわれてきたように、安全性に問題があるばかりでなく、環境への負荷も大きいという問題点があります。塩ビ製品には、生殖毒性、肝機能障害などの毒性のあるDEHP(フタル酸ジエチルヘキシル)やDINP(フタル酸ジイソノニル)等その他の可塑剤が大量に添加されています。

1998年に消費者団体が中心になって立ち上げた、NO!塩ビキャンペーンでは、塩ビ製品を市場からなくすことを運動の主眼とし、食品用のラップの返品運動や塩ビおもちゃの添加材調査や流通業界への禁止の要望を行いました。

その後、可塑剤について、見直しがなされてはいますが、「燃やせばダイオキシン」の発生源から有害物質を断つという観点からは、継続的に生産される身近な商品に塩ビを使用することには問題があり、他の素材に代替させるべきだと考えています。当連盟では、12年5月に全日空航空に対して、搭乗記念の子どもに塩ビ製の飛行機を他の材質に変更するよう要望したところ誠意ある回答をいただきました

貴社のHPの「東京急行電鉄環境方針」として、事業活動が地球環境へ多大な影響を及ぼすことを認識し、地球環境の悪化を防ぎ、世代を超えて安全で快適な生活環境を引き継いでいくことため、循環型社会システムの実現に努めるとして、引退した車両の活用により、リサイクルよりリユースを選択されています。

2009年4月、田園都市線三軒茶屋駅の駅長事務室に「みみずコンポスト」を設置され、駅係員がつくる食事(昼・夕食)で出た野菜の切りくずをみみずの入ったコンポストで堆肥と液肥に変え、山下駅の花壇で使用して、循環型社会に寄与するだけでなく、駅係員の環境意識の向上にもつながっていることなども紹介されています。環境に配慮された企業理念の下で努力を続けられていると拝察いたします。

また、貴社のHPには、「お客さまの声を生かして お客さま満足度向上のための方針東急グループコンプライアンス指針に「お客さまとのコミュニケーションを重視し、誠実に情報を提供することはもちろん、お客さまの声を業務運営の改善に活用します」と掲げ、さらに東京急行電鉄行動規範では「お客さまの『声』に対する適切な対応」「お客さまの立場に立った商品・サービスの提供」を行うこと」を掲げています。

本業における環境に配慮した取り組みを、顧客サービスにても実現していただきますようにお願いいたします。妊娠中も満員電車での通勤を余儀なくされる妊婦を守るために、貴社が独自のマタニティマークを無料で配布されていることを評価するとともに、塩ビ製のマタニティマークの素材を変更することを要望し、本要望に対するご回答もお願いいたします。

以上

(注)一般に「絵文字」「絵単語」などと呼ばれ、何らかの情報や注意を示すために表示される視覚記号(サイン)の一つ。表したい概念を文字による文章で表現する代わりに、視覚的な図で表現することで、言語に制約されずに内容の伝達を直感的に行う目的で使用されるマーク)

連絡先:特定非営利活動法人日本消費者連盟 (古賀真子)
〒169-0051 東京都新宿区西早稲田1-9-19 アーバンヒルズ早稲田207
℡: 03-5155-4765
fax: 03-5155-4767


東急電鉄株式会社からの回答

PVCマタニティー・キーホルダーについての東急からの回答(クリックして拡大表示)

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