日本消費者連盟
すこやかないのちを未来へ
企業や国家の利益よりも、人のいのちや健康を優先する世の中にしたいと活動しています。

消費者リポート 1550号 2014.01.21

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▶温泉やスーパー銭湯の「掛け流し」ということばが使われるようになったのは、いつ頃だったでしょうか?「湯水のように使う」という言い方があるように、もともとは浴槽からあふれた湯は洗い場を流れて排水口から出ていくのがふつうでしたから、何もわざわざ「掛け流し」を謳う必要もなかったわけですが、「湯水のように湯水を流してしまうのは不経済」というわけで、「循環風呂」なるものが登場。温泉地で何百人も入れる大浴場建設合戦が起きて、湯量が足りなくなったのがきっかけとか。「掛け流し」という言葉は、「循環風呂」との差別化のために生まれたようです。▶ところが、暖かくて人の皮脂や垢をたっぷり含んだお湯は、まさに雑菌の温床。2000〜02年には循環風呂によるレジオネラ菌問題も発生して、循環湯の殺菌に塩素が投入されるようになりました。ところが、塩素入りのお湯がボイラーや貯湯タンクを循環すると、配管などのサビが激しくなり、設備の寿命が縮まります。そこで今度は、お湯に防サビ剤を投入。さらには、防サビ剤のポリ燐酸ナトリウムが硬水を軟水化する性質があるのをいいことに、「お肌がすべすべになる」と宣伝したり、果ては湯船のお湯を客に飲ませ…(この先は本誌1面をお読み下さい。あー気持ち悪っ!)▶湯水のように使うのが湯水なのに、それをケチって捨てるべき排湯をまた湯船に戻したところに、そもそも問題の根源があるんですね。お風呂好きで世界的に知られる日本人ですが、お風呂の中には「水に流す」ことのできない現代日本の問題の縮図が垣間見えます。(共同代表・真下)

もくじ


  • 1・hot news 温泉風銭湯の飲用水から防サビ剤検出!——東京都と世田谷区へ公開質問状
  • 2・news file 大豆から広がる世界――生産者とつながろう: 「大豆畑トラスト運動全国交流集会」開催
  • 2・news file 第3期食品表示部会の人事に異議あり!——監視機能を果たせない消費者委員会
  • 3・news file 一刻も早く定期接種の中止を!——全国に広がる 子宮頸がんワクチン被害者連絡会
  • 4・focus アジア全体で食い止めよう推進派が繰り広げるGMナス・GMイネ導入工作——「アジアにおける遺伝子組み換え作物問題を考える会議」報告
  • 6・pick up マイケル・ムーアもびっくりの?突撃(電話)取材でわかった「遺伝子組み換え食品」の現在
  • 6・海外消費者情報:波紋を呼ぶヨーロッパ養殖魚の汚染「ノルウェー産サケは世界一汚染のひどい食品」
  • 7・column 遺伝子組み換え食品の危険性を指摘した論文への攻撃続く
  • 8・hot news 葛西臨海公園の自然を壊さないフェアなオリンピックを!