日本消費者連盟
すこやかないのちを未来へ
企業や国家の利益よりも人のいのちや健康を優先する世の中に変えたいと活動しています。

温泉風軟水風呂の銭湯から防サビ剤検出!

世田谷区の銭湯の飲用のカラン水を2013年11月18日に採取し検査機関で分析したところ、12月27日、防サビ剤であるポリリン酸塩が検出されました。これは硬水の源水を軟水にするために科学物質を使ったものとみられ、軟水と謳った一種の偽装といえます。ポリリン酸ナトリウムはpH調整剤として食品加工にも使われますが、銭湯のタンクの防サビ剤として水の成分調整用に使われる場合には、重金属の混入も見られ飲用には適しません。日消連では次のような公開質問状を東京都、世田谷区に送付しましたが、役所からはきちんとした回答が得られていない状況です。

  2013年日消連第30号

                                    2013年12月9日

東京都知事 猪瀬直樹 様

世田谷区長 保坂展人 様

世田谷保健所長  様

 

特定非営利活動法人日本消費者連盟 共同代表 古賀 真子

                 共同代表 真下 俊樹

                 共同代表 山浦 康明

 

「ますほ湯が軟水と称して客に飲用させていることについて」の公開質問状

 

 

特定非営利活動法人日本消費者連盟は1969年の設立以来、「すこやかないのちを子や孫の世代に」をスローガンとして、生命の安全と健康を第一に考え、消費者のさまざまな権利が守られる制度をつくるために、私たちの要求を企業や行政に積極的に働きかけ実現をはかる活動を行う、財政的には自立、政治的には超党派の消費者団体です。身近な消費者被害を取り上げ、事業者、行政に消費者保護のために改善要求などの働きかけも行ってきました。

このたび私どもの会員より世田谷区内の「銭湯のお湯」について以下のような疑問が提示されました。私どもは、今問題となっているレストランでのメニュー偽装と同様に、消費者に軟水としての効能効果も含めた優良誤認を与える事例である可能性もあると思い、以下の点について質問いたします。

銭湯の経営に関しては、自家風呂が普及した現在においては公衆衛生上の需要は減少していますが、高齢者などには愛用者も多く、東京都や世田谷区は、都民・区民に銭湯利用券を配布するなどして、需要を喚起し、公衆浴場に対しては高額の補助金を支払っています。

このような、銭湯の営業において、市民の健康を損ねるような行為があってはならず、また、その銭湯の営業の仕方も銭湯の本来の目的に適合するルールに基づいて行なわれなければ、税金の無駄遣いともなります。12月20日までに文書でご回答及び丁寧にご説明いただくよう求めます。また、この事例は全国の銭湯での問題にも広がるおそれがあることから、マスコミにも公開したいと思います。

 

事実関係:私どもが調査したところ、東京都世田谷区南烏山5-21-5「ますほ湯」は「軟水風呂」と健康によいもののように宣伝し、「軟水」をペットボトル持参の客に持ち帰らせて飲用させている。また、脱衣場のカラン(Aと称すると)、湯船のカラン(Bと称する)のうち、Aには飲用できるという謳い文句で、また、Bにはコップを備えて、客が湯船につかりながら飲用できるように配置している。

そこで以下の点について質問をいたします。

 

質問

1.ますほ湯が軟水風呂と称して客に軟水を飲用させているという事実を把握していますか。把握されているとするとその時期はいつからいつまででしょうか。

2.ますほ湯は軟水風呂と謳っていますが、源水が軟水なのでしょうか。あるいは硬水を人工的に軟水化しているのでしょうか。

その際にはどのような物質を使って軟水化しているのかを把握していますか。

3.「世田谷区公衆浴場法施行条例」の第40号には「入浴者用飲料水の設備を設ける場合は、その旨の表示をすること」、同第41号には「入浴者用飲料水の水質は、水道法第4条第1項各号に定める要件について、それぞれ水質基準に関する水質基準に適合するものとし、かつ、浴用貯水槽を経由しないで供給すること」とありますが、ますほ湯で飲料用の設備を設けていると認識されていますか、またそのことも含めた表示をしていることを把握していますか。

以上

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