TPP11に反対する声明
米国がTPP(環太平洋経済連携協定)を離脱した後、残り11カ国で交渉を進めてきたいわゆるTPP11(CPTPP:包括的及び先進的な環太平洋経済連携協定)は2018年3月8日(日本時間9日未明)、チリで署名式を行い、参加各国で国内承認の手続きに入りました。日本政府は今通常国会で批准を強行する構えを見せています。
TPP11は離脱した米国がいつでも戻ってくることができるよう、米国の利害に関係する22項目について凍結していますが、本質的な中身は変わっておらず、市民が平和に生きていく権利を大きく侵害するものです。消費者の意見は何ひとつ配慮されず、その一方で大企業の利害が大きく反映されています。農民も同じで、輸入時の規制をなくすことで、農畜産物の扱いについてもTPPで決められた以上に厳しい競争にさらされることになります。
TPP11の影響は食の安全や市民の健康にも大きく影響します。輸入農産物の検査の省略、遺伝子組み換え食品の輸入促進、医薬品価格決定への内外製薬会社の介入、医療保険の空洞化など、消費者・市民のいのちやくらしを守る仕組みが破壊されてしまいます。
日本消費者連盟は今国会でのTPP11の批准に強く反対すると同時に、日本を含む11カ国、さらには米国の市民社会と手を組み、TPP及びTPP11の強行を阻む運動を続けます。
以上
2018年3月9日
特定非営利活動法人 日本消費者連盟