私が香害に悩まされ始めたのは2013年頃。最初は個人的に香害反対活動をしていました。2017年夏の「香害110番」で日消連を知り、翌2018年の院内集会をきっかけに加入。以降、これまでの活動に加えて、洗剤部会の仲間と一緒に香害反対活動を行っています。思わぬご縁に恵まれ、活動の背中を押されています。
香害を調べていくと、原因物質は一つに絞れるものではなく、香りを含め、空気中の様々な化学物質が、複合的・相乗的に健康に影響を与えていることがわかりました。香害は、空気中の揮発性有機化合物VOCsが健康被害を招く、シックハウス症候群の枠組みで捉えられる面があるのです。
逆に言うと、空気中のVOCsは、柔軟剤・合成洗剤・消臭スプレーなどの香害製品だけが放出するわけではありません。建材、接着剤、家具、排気ガス、殺虫剤、プラスチック等から発生したVOCsも空気中に存在しています。
つまり、香害を減らすには、石油由来の揮発性有機化合物全般の削減も大切なのです。PFAS(有機フッ素化合物)汚染など環境・健康問題が噴出する今、石油文明である現代資本主義社会の見直しを迫られています。多くの人の気づきが社会を変えると期待しています。
(深谷桂子)