日本消費者連盟
すこやかないのちを未来へ
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【公開質問状】ゲノム編集コオロギの開発に関わる公開質問状(2020年6月5日)

 

2020日消連第11号
2020年6月5日

徳島大学学長 野地澄晴様

遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン
代表 天笠啓祐
特定非営利活動法人日本消費者連盟
共同代表 天笠啓祐
共同代表 大野和興

 

ゲノム編集コオロギの開発に関わる公開質問状

私たちは、食の安全を求めて取り組んでいる消費者団体・市民団体です。
さて、去る5月13日ゲノム編集コオロギを使った「コオロギせんべい」の発売が報じられ、結果としてこの報道は誤報だったとわかりましたが、貴大学の三戸太郎准教授と貴大学発のベンチャー企業が共同でゲノム編集技術を用いて脱皮ホルモンを制御したコオロギを研究開発していることは事実ということでした。行政の情報サイトにはゲノム編集食品の届け出の情報はありません。そこで、当会として、以下の点を質問いたします。
お忙しいところ恐れ入りますが、6月22日までに文書にて回答いただけますようお願いいたします。いただいた回答は当団体のホームページ等で公開します。

1、ゲノム編集により遺伝子を操作することは遺伝子組み換えと大差なく、遺伝子を改変された生物の拡散は環境への影響が懸念されます。遺伝子組み換えについてはカルタヘナ法の規制やガイドラインなどにより審査評価されますが、貴大学では、本件ゲノム編集生物の研究について審査評価を実施しましたか。また、いかなる理由で許可されたのですか。

2、コオロギのような昆虫は、飼育環境によって逃亡しやすく、逃げたときには駆除は不可能に近いと考えます。遺伝子改変されたゲノム編集昆虫の研究について、貴大学は具体的にどのような拡散防止措置を実施し、その実施監査を行っていますか。

3、環境に拡散した場合の環境リスクについて、どのような評価を実施しましたか。

4、研究成果を食品に応用した場合、想定外の遺伝子変化等による食の安全のリスクについて、どのように評価しましたか。

5、貴学はゲノム編集の研究内容、環境影響評価、食品安全評価について、関係省庁に届け出しましたか。

以上