世界各地で立ち上がるママたち
オーストラリア
フラン・マレルさん(MADGE※)
実験動物にされるのはイヤ
ビクトリア州で遺伝子組み換え(GM)ナタネの栽培モラトリアム(一定期間の栽培禁止)解除問題が持ち上がった2007年に、友人2人と活動を始めました。翌年モラトリアムは解除されてしまいましたが、ちゃんとした表示がないために多くの人がGM食品と知らずに食べているのは動物実験の何ものでもないと、反対運動を続けています。
メディアがほとんど取り上げないため、若い母親たちはGM食品のことを知りません。自由におしゃべりできるイベントで問題点を知らせています。説明すると、そんなものは食べたくないと、危険性を理解してくれます。私たちが発信する情報で人気なのは、GMでない食品が買えるショップリスト。GM反対と言うだけでなく、他の選択肢を示すのは大切だと実感しています。
※Mothers Are Demystifying Genetic Engineering(GM問題を明らかにする母たち)
アルゼンチン
ソフィア・ガティカさん(イトゥサインゴの母たち)
農薬散布で娘を亡くして
生後間もない娘を1999年に亡くしました。娘の血液から農薬が検出され、「これはおかしい」と、同じようなことが起こっていないか、近所の人に聞いて回ったのが活動を始めるきっかけです。
私が住むイトゥサインゴ地区はGM大豆の畑が広がり、大量の農薬が空中散布されていました。住民5千人の健康調査を始めた私の活動を知って女性たちが集まってきました。みんな農薬の被害者です。調査で3割強の人が急性リンパ性白血病などのがんを患っていることが分かりました。指が6本あったり、顎や頭蓋骨の欠損などの障害をもって生まれた子どももいました。学者の協力も得て行政に働きかけたりした結果、居住地から2・5キロ圏内での農薬散布は禁止されました。
16年にはコルドバ州のモンサント社の工場建設を阻止しました(※)。予定地の入口に小屋を作って4年間座り込みを続けた成果です。 (翻訳協力 青西靖夫)
※非公式だがモンサント社が予定地を売却した模様