日本消費者連盟と遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーンから、大阪大学などに送付していたゲノム編集ジャガイモについての公開質問状に対して、理化学研究所から回答がありました。
21理研横支第152号
2021年5月6日
遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン
代表 天笠啓祐様
特定非営利活動法人日本消費者連盟
共同代表 大野和興様
共同代表 纐纈美千世様
国立研究開発法人理化学研究所
横浜事業所研究支援部総務課
ゲノム編集ジャガイモについての質問状への回答について
大阪大学大学院工学研究科、理化学研究所、農業・食品産業技術総合研究機構宛に質問状(2021年4月19日付)をお送り頂きましたが、2021年4月5日付に文部科学省宛「ゲノム編集技術の利用により得られた生物の使用等に係る実験計画報告書jを届け出致しました理化学研究所が上記三研究機関を代表して回答を送付させて頂きます。
本件問い合わせ先:
〒230-0045神奈川県横浜市鶴見区末広町1丁目7番22号
国立研究開発法人理化学研究所
横浜事業所研究支援部総務課
国立大学法人大阪大学大学院工学研究科
国立研究開発法人理化学研究所横浜事業所
国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
ゲノム編集ジャガイモについての質問状への回答について
質問状の’ゲノム編集ジャガイモ’は、2021年4月5日付に文部科学省宛「ゲノム編集技術の利用により得られた生物の使用等に係る実験計画報告書」(以下、「報告書」という。)に記載致しました「ステロイドグリコアルカロイド低生産性ジャガイモ」(以下「当該ゲノム編集ジャガイモ」という。)と理解させて頂き、下記の通り回答致します。
なお、報告書は、文部科学省のホームページ(https://www.lifescience.mext.go.jp/files/pdf/n2263_01.pdf)にて公開されております。
1. 質問1、2、3、4、5について
ご質問につきましては、当該ゲノム編集ジャガイモにおける改変生物の形質の変化に関するご質問と理解して、まとめて回答させていただきます。
報告書p.3「改変生物の形質の変化Jの「当該改変により生じた変化Jに記載の通り、人工照明下の土壌栽培にて、天然毒であるステロイドグリコアルカロイド(SGA)の含量が減少しております。形質の安定性については、報告書に記載しました野外栽培でさらなる検証を行います。つぎに、これ以外に生じた変化につきましては、報告書p.3「改変生物の形質の変化」の「上記以外に生じた変化」に記載の通りであり、オフターゲットは確認されておりません。
2. 質問6について
ご質問につきましては、同じく報告書p.3の「生物多様性影響が生じる可能性についての考察Jに記載の通り、競合における優位性、有害物質の産生性、交雑性の考察を行い、当該ゲノム編集ジャガイモの栽培により生物多様性影響は生じる恐れはないと判断しております。
3. 質問7について
当該ゲノム編集ジャガイモは研究を目的に作出されたものであり、健康影響評価は実施しておりません。
4. 質問8について
当該ゲノム編集ジャガイモは研究を目的に作出し、これから引き続き研究目的で栽培試験を行うものです。このため、現時点で実用化は判断しておりません。
以上