日本消費者連盟
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八ッ場ダムの建設再開に反対します

 2011年12月23日、政府・民主党三役会議は八ッ場ダム建設再開のための本体工事費に係る予算案計上を決定しました。八ッ場ダムの不要性、不当性を長年訴え続けてきた私たちは、この決定に対して強く抗議します。

                                                          2011年12月29日

内閣総理大臣・民主党代表
       野田 佳彦 様
国土交通大臣 前田 武志 様

                      特定非営利活動法人 日本消費者連盟                                 共同代表     天笠 啓祐
                                                                  古賀 真子
                                                                  真下 俊樹
                                                                  山浦 康明
                                                                                                

 

      八ッ場ダム本体工事費計上決定への抗議と申し入れ

 2011年12月23日、政府・民主党三役会議は八ッ場ダム建設再開のための本体工事費に係る予算案計上を決定しました。八ッ場ダムの不要性、不当性を長年訴え続けてきた私たちは、この決定に対して強く抗議します。
 民主党は、2009年の衆議院議員選挙の公約で、八ッ場ダムの建設中止を明記をされました。にも関らず「民主党としては反対であるが、最終判断は政府に委ねる」として、政府・民主党三役会議よる八ッ場ダムの本体工事費計上の決定がなされました。
 2009年の総選挙で、有権者は民主党政権を選択しました。それは、これまでの政治のあり方を変えることに賛同したからだと言えます。その一つが「コンクリートから人へ」、「できるだけダムに依存しない治水・利水」でした。
 ダムは、自然環境と地域社会の破壊という負の遺産を残し、新規のダムは、その必要性を喪失していることが衆知の事実となってきたからです。
 民主党政権成立後、前原誠司国土交通大臣(当時)は、直ちに「川辺川ダム・八ツ場ダム中止」「すべてのダム事業の見直し」を宣言、政治主導による河川行政の転換が一歩を踏み出しました。しかし、その後の歩みは河川官僚と地方自治体首長たちによる巻き返しにより、政策転換は後退に後退を重ねました。その象徴が「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」の人選・運営です。ダム開発をよしとしない専門家は排除され、会議は非公開で行われました。同会議の「中間とりまとめ」と、それに基づいて国土交通省が各ダム事業者に示した「ダム事業の検証に係る検討に関する再評価実施要領細目」は、検証のシステムも内容もダム事業者の意向通りに進むようにつくられました。
 八ツ場ダム事業はに関しては、関東地方整備局がこの細目に即して、形だけの検証を行い、「八ツ場ダムが最も有利」という検証結果を国交省に報告しました。有識者会議はその報告を「細目に即して検証されているので問題なし」と評価、国交大臣が「八ツ場ダム事業推進」を決定し、政府・民主党三役会議による追認がなされたわけです。
 私たちは、このような形で導かれた八ッ場ダム本体工事費計上決定の撤回を申し入れます。更に、現在の有識者会議を解散し、「できるだけダムに依存しない治水・利水への転換」という視点に基づく審査が、改めて行われるよう強く求めます。
                                                                         以上

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