日本消費者連盟
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初の遺伝子組み換え生鮮果実の流通へ

遺伝子組み換えパパイヤの表示

イラスト:清重 伸之©

組み換えの生鮮果実としては日本で初めて、遺伝子組み換えパパイヤの流通が始まりそうです。

組み換えパパイヤは、すでに2009年に食品安全委員会での安全性評価を終え、その表示については11年4月、消費者庁の諮問を受けた消費者委員会で審議され、パブリックコメントも行なわれました。11年7月27日の同委員会食品表示部会ではその結果を受け、今後の表示のあり方について審議されました。

消費者庁より示された表示方法は、食品衛生法に基づき(施行規則別表への掲載)、組み換えパパイヤおよびジャムやジュースなどの加工品(「パパイアを主な原料とするもの」と表現)について、事業者に対して「○○産パパイヤ(遺伝子組換え)」というシールを張らせるというものでした。

表示シールが剥がれた場合は?

そもそも組み換えパパイヤの生産、輸入自体が問題ですが、日本の市場に出回る際にはこれを食べたくない消費者たちとしては、明確に表示されることを求めます。消費者庁が示した表示方法については、次のような問題があります。

  1. ①シールが剥がれた場合の対策としして、「組み換えパパイヤのみ扱っている場合に限り再貼付できる」こととなっていますが、組み換えパパイヤのおそれがある場合は、すべて再貼付させるべきです。組み換えと非組み換え両方を扱う業者であればなおのこと、シールが剥がれた場合には、それこそ組み換えパパイヤである可能性があることを表示させるべきです。
  2. ②シールが剥がれたままの状態で流通させた場合について「違反となる場合がある」としていますが、甘すぎます。明確に違反とすべきです。
  3. ③「組み換えパパイヤを故意に非組み換えとして販売することは違反となる」というのは当然であり、厳罰化すべきです。

消費者庁では、この日の食品表示部会で出たこうした意見を、今後の表示ルールの運用に反映させるとしました。

(山浦康明)