日本消費者連盟
すこやかないのちを未来へ
企業や国家の利益よりも、人のいのちや健康を優先する世の中にしたいと活動しています。

消費者リポート 1510号 2012.05.21

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食べ物が工業化され、消費者が知らないうちに効率追求のために健康や環境を破壊しかねない成長ホルモンや遺伝子組み換え作物が大量に使われている現代の「食」の実態を暴いた映画「フード・インク。アメリカで大反響を生んだこの映画をつくったロバート・ケナー監督が来日して東京都大阪で講演しました。ケナー監督は、最初「私たちが毎日食べている食べ物はどこから来て、私たちにどんな影響を与えているのか?」という素朴なギモンでこの映画を作り始めたそうです。ところが、食品業界に取材を申し込むと、ほとんどの企業が取材を拒否しました。自信のある製品を作っているのなら堂々と消費者に見せるはずなのに、有名企業はどこも食品を作っているところを見せたがらない、消費者に隠そうとするこの現実。「これはどういうことなんだ?」という素朴なギモンから出発して、どんどん食品業界の実態に切り込まざるを得なくなり、その結果このショッキングな映画が出来上がりました。そんな食品の中身を消費者が知る唯一の手段が「表示です。その表示制度が、いま「一本化して分かりやすく」を名目に「簡略化」されようとしています。TPPがらみで、表示の甘いアメリカ基準に合わせるため策略じゃないの?と勘ぐるたくなります。本号のfocusはこの問題の本質に迫っています。同じ食品についての韓国と日本の表示の違いも。日本の表示がいかに業界の意向を反映しているかがよく分かります(共同代表・真下)

もくじ


  • 1・hot news 消費者にとってTPPとは?:日本消費者連盟第39回総会 記念講演会にご参加を
  • 2・news file 命を切り捨てる改定臓器移植法自殺児童からの臓器摘出の禁止を
  • 2・news file 消費者関連法の早期成立を!:集団的消費者被害回復に係る訴訟制度の法案化が急務
  • 3・news file 電磁波公害を知らせるために:シンポジウム「もう一つのヒバク 携帯電話基地局の健康被害を考える」報告
  • 4・focus 食品表示一元化検討会が報告書を作成する前に 消費者のための表示制度を要求しなくちゃ!
  • 6・landscape アメリカ市民が求める遺伝子組み換え食品の表示
  • 6・series Vol.5 松葉の汚染マップから放射能の影響を予測する
  • 7・column 健康食品に要注意:効かないウコン飲料と危険なウコンサプリ
  • 8・tips 電気料金不払いの実践法:東電へ怒りの声をぶつけよう