「司法に国民の風を吹かせよう実行委員会」が原発学習会
東京電力のOB社員を講師に迎えて「司法に国民の風を吹かせよう実行委員会」(風の会)は「福島第一原発事故から学ぶこと」と題した学習会を開きました。
2011年7月28日のこの公園をしてくださったのは、以前から原子力発電所労災問題を中心として原発に批判的運動を行なってきた東電OBの鈴木章治さん。鈴木さんは、福島原発の問題点を次のように説明しました。
根拠なき安全神話の罪
福島第一原発の事故の状況として、1号機は地震後、8時間も冷却水が循環しなかったことがメルトダウンを引き起こした。しかも、1号機は1971年に運転を開始した旧式のもので、熱効率も悪い。日米安保のもとで、原子力潜水艦用動力として開発された軽水炉型原子炉を、スケールアップして転用したものだった。
この事故の原因は根拠なき安全神話にあった。すなわち放射性物質を封じ込める「5重の壁」論、「過酷事故は起きない」論、チェルノブイリ原発事故などが起きても「日本では大丈夫だ」論であった。そして、地元住民が以前から指摘していた地震・津波対策を怠ったため起きた人災である。
しかし、東電の労働組合は5月に開いた大会でも、依然として労使一体の原発推進を掲げている。
過酷な作業環境の改善を
この夏、日本の54基の原発中稼動するのは11基で、全国的な「電力不足」といわれている。しかし、最大電力のパワーの点では一時不足するかもしれないが、電力量としては十分である。今後原発なしで需給バランスがとれるように、今から自然エネルギー(太陽光、小水力、風力、地熱など)を基軸にして、電力開発と供給を見直し地産地消にしていくなど、体制を整える必要がある。
また一日でも早い事態の収束を行なわなければならないが、会社による放射線管理もずさんであり、作業を終えて所在がわからない作業員が198人に上っている(7月21日現在)。現場で働く電力会社社員、派遣労働者の過酷な作業環境も改善しなければならない。
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こうした元東電社員ならではの詳しい説明が続きました。
(山浦康明)