日消連は2020年3月26日、厚生労働省が実施する「食品衛生法施行規則の一部を改正する省令(案)」(ジフェノコナゾールの添加物への指定)のパブリックコメントに以下の意見書を出しました。
ジフェノコナゾールの添加物指定に関する意見書
以下の理由から、ジフェノコナゾールの添加物指定に反対する。
(1)ジフェノコナゾールによる健康影響が懸念される
報告書にあるようにジフェノコナゾールは発がん性と神経毒性が報告されており、ジフェノコナゾールは浸透性なので、洗っても皮を剥いても残留しやすい。報告書における馬鈴薯からの推定摂取量は食品安全委員会が設定したADIと比較して、成人で7%前後、小児で21.6%となっていて、馬鈴薯の多食群ではこの数倍になる可能性がある。ADIに近い摂取の恐れのある使用を許容すべきでない。
(2)なしくずし的なポストハーベスト農薬解禁となる
収穫後に用いる農薬であるポストハーベスト農薬は米国等では許可されているが、日本では許可されていなかった。1970年代のOPPとTBZの食品添加物としての許可は米国からの圧力によるものと理解しているが、その後もポストハーベストの追加許可は果物の防かび剤の範囲だった。今回馬鈴薯の防かび剤に拡大するのは、なしくずし的なポストハーベスト農薬解禁であり、許容すべきでない。
(3)馬鈴薯の輸入拡大につながる
国内で生産される馬鈴薯はこれまでポストハーベスト農薬を使用しないで流通しており、明らかに輸入拡大のための食品添加物指定である。馬鈴薯の自給率は低下傾向にあり、70%を割っていることから、さらなる自給率低下は望ましくない。輸入拡大のための食品添加物指定には反対する。