日本消費者連盟
すこやかないのちを未来へ
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【運営委員ブログ】治山治水というけれど(2021年9月10日)

 

今年の夏も集中豪雨に見舞われ、河川の氾濫や住宅地の水没などによる生活基盤の破壊は凄まじいものでした。河川の水は元来、その流域の人びとの暮らしの基盤で利用されながら、時にはその牙をむいて住民に襲いかかった歴史を重ねてきました。しかし、水無く水を求める地域住民と流域民との協力で、水を活用するための通水事業の歴史も刻まれました。

 

その1つが愛知用水です。水に困り雨水に頼らざるを得なかった知多半島の住民たちの強い願望と尽力があったとのことです。1961年に通水して今年60周年を迎えました。岐阜県八百津町の兼山取水口から木曽川の水が最大で毎秒30トン取水され、愛知県美浜町の美浜調整池まで幹線水路は112キロメートルです。この間の高低差は約70メートル、自然勾配だけで、くねくねと水は流れていくのです。

 

知多半島では、いまでは有機農業も展開されています。木曽川の水はおいしい。我が愛知県岩倉市はこの愛知用水の水と地下水を使っています。豊明市、日進市、みよし市、長久手市、東郷町の4市1町は、2001年から水道料金に1トンあたり1円を基金に積み立てて、木曽川上流の間伐事業に使っています。

 

(水原博子)