日本消費者連盟
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【回答】「ゲノム編集マダイの環境影響及び安全性の評価に関する要望と質問」へのリージョナルフィッシュ社からの回答(2021年10月28日)

 

2021年10月14日付でリージョナルフィッシュ社宛てに出した「ゲノム編集マダイの環境影響及び安全性の評価に関する要望と質問」に対し、10月28日付で同社から回答がありました。

回答(PDF)

PDFで届いた回答を以下に貼り付けました。

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2021年10月28日

遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン
代表 天笠啓祐 様
特定非営利活動法人日本消費者連盟
共同代表 大野和興 様
共同代表 纐纈美千世 様

リージョナルフィッシュ株式会社
木下政人

ゲノム編集マダイの環境影響及び安全性の評価に
関する要望と質問への御回答について

弊社及びゲノム編集食品に関心を寄せていただき、ありがとうございます。
2021年10月14日にいただきました「ゲノム編集マダイの環境影響及び安全性の評価に関する要望と質問」について、下記の通り、回答させていただきます。

ゲノム編集によって作出したマダイの食品としての供給に先立ち、弊社は厚生労働省及び農林水産省が定めた通知に基づいて届出を行うとともに、消費者庁が定めたQ&Aに即して適切な形で表示しております。
食品としての安全性につきましては、「ゲノム編集技術応用食品及び添加物の食品衛生上の取扱要領」(令和元年9月19日付け、大臣官房生活衛生・食品安全審議官決定)に従い、科学的データを添えて事前相談を行い、厚生労働省におかれましては、専門家の意見を聴きながら、様々な観点から食品としての安全性を確認していただきました。
生物多様性影響につきましては、「農林水産分野におけるゲノム編集技術の利用により得られた生物の生物多様性影響に関する情報提供等の具体的な手続について」(令和元年10月9日付け、農林水産省消費・安全局長通知)に従って情報提供を行い、また、農林水産省は、専門家の意見を聴きながら、生物多様性影響の有無を慎重に確認していただいたと理解しております。
また、食品表示については、「食品表示基準Q&A」(平成27年3月30日付け、消費者庁食品表示企画課長通知)に則して検討し、関係者の皆様の御意見を伺い、かつ、消費者庁に御相談の上、消費者の皆様が誤認することがない形で表示及び情報提供を行っております。
次に、質問について個別に回答いたします。

1、拡散防止措置と環境影響評価について
今回のマダイにつきましては、ゲノム編集によってミオスタチン遺伝子を欠失させておりますが、これは自然界でも十分起こりうる変化です。また、農林水産省には、求めに応じて種々の情報を提供差し上げましたが、災害時も含めて生物多様性影響は想定されないことを確認していただいております。
https://www.maff.go.jp/j/syouan/nouan/carta/tetuduki/attach/pdf/nbt_tetuzuki-10.pdf

 

2、全ゲノム解析のデータの利用について
今回のマダイにつきましては、厚生労働省及び農林水産省にオフターゲット変異の有無も含め、食品としての安全性及び生物多様性への影響に問題がないことを確認していただきました。
なお、厚生労働省が開催された調査会におかれましては、「全ゲノムシーケンス(全塩基配列)解析による外来遺伝子の残存有無やオフターゲット変異等の確認は、現時点においては、必ずしも完全ではなく、食品衛生上の観点において他の手法と同様、必要に応じて組み合わせて検討されるべき手法の一つと考えられる。これらの確認に当たっては、サザンブロットやPCR等の適切な手法により確認することが重要である。」との議論があったと承知しております。(厚生労働省「薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会新開発食品調査部会遺伝子組換え食品等調査会報告」、https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/000797722.pdf

 

3、動物実験の実施について
今回のマダイにつきましては、ゲノム編集によってミオスタチン遺伝子を欠失させておりますが、これは自然界でも起こりうる変化です。弊社は、科学的データを添えて厚生労働省に事前相談を行い、同省は専門家の意見を聴きながら、動物実験の必要性も含めて、様々な観点から食品としての安全性を確認していただきました。
https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/000836856.pdf

 

4、安全性の評価について
今回のマダイにつきましては、厚生労働省及び農林水産省の通知に従い、また、両省からの要請に真摯に対応し、種々の情報を提供して参りました。また、両省におかれましては、専門家の意見を聴きながら、食品としての安全性などを確認していただきました。
弊社としては、今後も最新の科学的知見を収集しつつ、安全性については細心の注意を払いたいと考えておりますし、今回のマダイの届出については、既に十分な安全性確認が行われており、厚生労働省及び農林水産省のHPにおいて、情報提供書の提出がなされた食品として掲載されております。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/bio/genomed/newpage_00010.html
https://www.maff.go.jp/j/syouan/nouan/carta/tetuduki/nbt_tetuzuki.html