日本消費者連盟
すこやかないのちを未来へ
企業や国家の利益よりも、人のいのちや健康を優先する世の中にしたいと活動しています。

【運営委員ブログ】日本の農業がなくなっていいのか(2021年11月30日)

 

先日、レイバーネット日本という団体の、定期発信動画(レイバーネットTV)を見ました。「日本の農業がなくなっていいのか!コメ大暴落と『貧民連合』」と いう番組です(11月17日放映→http://www.labornetjp.org/tv)。日本消費者連盟・共同代表の大野和興さんの司会の下、山形の農家・菅野芳秀さんと新潟の農家・天明伸浩さんが、それぞれ一段と深刻化した農業の現状を訴える内容です。今さらながらショッキングな実像に、戦慄さえ覚えました。

原価を割る米価で赤字が積もるだけの営農。今の農業はどこに活路を見出せばいいのか、です。上記お2人の地域でも例外なく、優良田畑さえも今は次々に放棄されていく。それを見かねて、地域を何とか保全していきたいという「大規模農家」が、放棄地を引き取っていく。政府が推奨したい「農業の大規模化」が、このような形で結果的に、進んでいるのだと思いました。

思えば、このような農家潰しを推進してきたのが、我が政府の政策でした。 TPP路線に邁進し、小農抹殺路線に帰結した農政ですが、それを許してきたのも私たちです。上記の菅野さんが「農家の崩壊は、国民の大部分である消費者の生活を脅かす問題でもある。他人事として、絶対に傍観してほしくない」という言葉を残しています。私たちは肝に銘じなくてはならないと思います。

 

(池上明)