2022日消連第12号
2022年11月14日
厚生労働大臣 加藤勝信様
消費者担当大臣 河野太郎様
遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン
代表 天笠啓祐
特定非営利活動法人日本消費者連盟
共同代表 亀山 亜土
共同代表 佐々木 ミヨ子
共同代表 マーティン・フリッド
昆虫食品や培養肉など「新規食品」の安全性審査を求める要望書
私たちは食の安全・安心のために活動する消費者団体・市民団体です。消費者の知る権利・選ぶ権利が保障される食品表示制度を求めて活動しています。
さて、昨今、新しい技術を使って食品を生産する「フードテック」の実用化が進んでいます。昆虫食品や培養肉などがこれにあたります。SDGsの掛け声の下でこれらの食品の実用化が、安全性や環境影響などについての審査を経ないで性急に実用化が進められることに私たちは大きな不安を持っています。貴庁は、昆虫食品での懸念されるアレルギーについて指導しているようですが、任意表示では不十分です。欧州連合(EU)では「新規食品規則」(1997年)で、食経験のない新規食品の安全性が流通前に審査されると聞いています。日本でも食品衛生法第7条の運用変更による規制が必要と考えますので、以下の通り要請します。また、以下の内容について早急に意見交換の場を設定いただくようお願いいたします。
記
1、昆虫食品や培養肉など食経験のない食品の事前安全性審査を実施すること
昆虫は一部地方で限定的に食べられていましたが、多くの国民には食経験がありません。甲殻類にアレルギーを持つ人への交差アレルギーのほかに、昆虫を多食すれば昆虫自体のアレルギーも懸念されます。昆虫の中には毒性のある物質を含む種類もあります。培養肉については、そうした情報はありませんが、生産過程でどのような成分の変化があるか十分な知見がありません。こうした食品の実用化にあたっては、慎重な安全性の評価が流通前に実施されるべきと考えます。食品衛生法第7条の運用を変更し、上記のような食経験のない食品は新規食品としてあらかじめ安全性を評価するよう要望します。
2、昆虫のアレルギー表示を義務付けること
現時点ではまだ昆虫によるアレルギーは顕在化していないかもしれませんが、少なくとも甲殻類のアレルギーとの交差反応については表示を義務付けるべきと考えます。常食すれば昆虫によるアレルギーも遅からず発生する可能性もあると考えられるので、アレルギー表示の検討を要望します。
3、昆虫食品等の新規食品の危害情報を収集すること
昆虫食品はすでにコオロギなどが広く販売されていますが、これによってアレルギーなどの危害が生じていないか、消費者庁と厚生労働省が協力して情報の収集に努め、定期的に結果を公表するとともに、必要な対策を講じてください。情報収集のため、事業者に情報の報告を求める制度の策定を要望します。
以上