日本消費者連盟と主婦連合会は、韓国のドゥレ消費者生活協同組合連合会と3団体合同で、8月30日に「アジア平和共同声明」を発表し、国内外の市民団体に賛同を呼びかけるアクションを始めました。「武力より対話」を合言葉に、今後1年かけて、国内外の消費者団体、生活協同組合はじめ、平和を願う市民団体に広く呼び掛け、戦後80年にあたる2025年8月には、アジアの複数の市民団体との共同を広げる計画です。
アジア平和共同声明は、「私たちは、過去の戦争の経験から、軍備拡大は決して抑止力にならず、戦争への道をひらくものであることを知っています。世界的に軍拡の動きが進行する今こそ、アジアの消費者団体・市民団体は連帯し、反戦と平和を訴える必要があります。国際的なすべての対立的課題を、武力ではなく対話で解決することを強く求めます」と訴えています。
日消連と主婦連は、22年12月に安保3文書改定が閣議決定されたのを受け、「敵基地攻撃能力の保有と防衛費増大に反対する消費者団体共同声明」を2023年1月に発表しました。その後、日本の消費者団体に賛同を呼びかけ、現在90を超える団体が名を連ねています。今年3月には、三菱重工業と三菱電機に武器製造や武器輸出から撤退を求めるはがきアクションと消費者による不買運動の呼びかけを行いました。
今回のアジア平和共同声明は、国内の軍拡に反対する運動を進めると同時に、市民が消費者、生活者として、国家の都合ではなく国境を越えて反戦・平和を望む声を大きくしていこうという取り組みです。国外第1号として韓国のドゥレ消費者生活協同組合連合会が呼びかけ団体に加わりました。
- 国境を越えてつながり戦争抑止に
8月30日の記者会見では、日消連の纐纈美千世事務局長が「安保3文書改定以降、ますます戦争する国づくりに突き進む日本に危機感を覚えている。国内の市民団体による平和共同声明を、今度は国外の団体に広げたい。いまだ休戦協定中の韓国や有事を喧伝される台湾で、軍拡に反対する難しさを感じたが、声明発表を模索する中で平和への思いを共有できた。アジアの市民と国境を越えてつながることで戦争を抑止する力にしたい」と説明しました。
主婦連の河村真紀子会長は「国際情勢が緊張を増す中で、ややもすれば軍拡やむなしと世論が傾いているようにすら見える。軍拡路線をめざす勢力が、ことさらに危機感を煽る世論誘導に操られてはいけない。平和のためには、対話と協調にもとづく外交、緊張緩和や信頼醸成こそが大事だ」と述べました。
ドゥレ生協連合会のキム·ヨンヒャン会長からは、「いかなる戦争や破壊にも反対し、これらを防ぐための全人類の責任ある行動に参加します」とビデオメッセージがありました。
続いて平和を求め軍拡を許さない女たちの会の望月衣塑子さんによる記念講演「安全保障のジレンマ~岸田政権の軍拡がアジアにもたらすもの」、リレートークでは国内の複数の平和団体、消費者団体に加えて、韓国の平和団体「戦争なき世界」からのメッセージの代読がありました。
ユープランさんに当日の模様をアップしていただきました。