2020日消連第22号
2020年11月16日
大阪よどがわ市民生活協同組合
理事長 貫恒夫様
特定非営利活動法人日本消費者連盟
共同代表 大野 和興
共同代表 纐纈美千世
グリホサートの取り扱いに関する公開質問状
貴生協におかれましては、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。当連盟は、食の安全を求めて取り組んでいる消費者団体です。
貴生協でグリホサートを有効成分とする除草剤を販売しているとの情報が会員から寄せられました。貴生協の組合員からの取り扱い中止を求める声に対して、日本を含む各国政府の安全性評価結果をもって安全と見なし、独自基準に適合していることを確認して取り扱っている旨の回答をされたと聞いています。当該製品の取り扱いと組合員への回答に対して、改めて当連盟から、貴生協に質問と要請をさせていただきます。
お忙しいところ恐れ入りますが、11月末までに文書でご回答をいただくようお願いいたします。なお、ご回答に関しては、当連盟ホームページ等において公表させていただくことをあらかじめご了解ください。
記
1. グリホサートは、WHO(世界保健機関)の専門家機関であるIARC(国際がん研究機関)が「ヒトに対して発がん性の恐れがある」と評価していること、米国では散布作業者等のがん患者の損害賠償訴訟が相次いで勝訴していること、欧州では段階的に規制されていることをご存じですか(※)。
2. 貴生協加盟のコープきんきの基準の第1項(安全性の確認)と第5項(過去の危害や事故)に、少なくとも問題の可能性を強く示唆する情報があるという点でグリホサートは抵触すると考えますが、いかがですか。
3. グリホサートは動物実験の結果とともにヒトにおける非ホジキンリンパ腫の増加との関係に関する疫学研究の結果が根拠となってIARCの評価が出されています。動物実験による化学物質の安全性評価には限界があり、EFSA(欧州食品安全機関)の評価とは別個に、欧州各国が規制を開始しているのは、IARCの評価を受けてというだけでなく、安全を優先する予防原則を適用している面もあります。一方、日本政府は予防原則を採用せず、新たな規制をしていません。貴生協の回答にある欧米の各国規制当局の対応の中には欧州各国の規制方針は含まれないのですか。
4. 貴生協がIARCの評価を取り上げず、安全とする国の評価だけに従って、グリホサートを安全なものであると結論をされているのは、どのような理由からですか。
5. 組合員の組織である生活協同組合は、組合員の健康と生活を守る立場で活動されていると思います。そうした立場の貴生協がグリホサート製品を扱っていらっしゃることは、理解に苦しみます。組合員は、生協が扱う商品は生協が安全と認め、組合員に勧めているように解釈します。営利企業のダイソーでさえ、顧客の声を受けてグリホサートの販売を在庫販売次第の中止する方針を発表しています。貴生協がグリホサートの販売について見直していただけませんか。見直さない場合はその理由をお答えください。
※内外の規制に関してはhttp://organic-newsclip.info/nouyaku/glyphosate-table.html
以上