日本消費者連盟
すこやかないのちを未来へ
企業や国家の利益よりも、人のいのちや健康を優先する世の中にしたいと活動しています。

【運営委員ブログ】健康な大地から生まれる命をつなぎたい(2025年2月27日)

 

夫の亡き母は、大病のあと私たちが遊びに行っても、部屋にこもり「病人だから」と何もしなくなりました。そこで「山に栗でも拾いに行こう」と提案したらそれが、的中。玄関から出たとたん、私たちの前をサクサク歩き、山に着いたら誰よりもたくさん栗を拾い、もう帰ろうと駄々をこねる孫を無視し、持ちきれないほど袋に詰めたその顔は生き生きと輝いていました。人は好きなことをするとき、自然の中で過ごすときに生き返るのかもしれません。

続く不況の中、人工的に作り出された食品に手を出さざるを得ない人は少なくないでしょう。

「エコだから」、「食糧難だから」と昆虫食や培養肉、遺伝子組み換えやゲノム編集食品、最新では合成生物学から生れた「精密発酵食品」という得体のしれない食べ物まで市場に出ています。

私は少々値段が高くても有機農業を実践する農家を応援したい。太陽と雨、昆虫や動植物の力を借りた土で作った滋味深い食べ物を孫や子へ伝えたい。アニマルウエルフェアを実践する畜産農家や企業を応援したい。せめて自分が食べるものは、どこの誰がどんな方法で作ったのか知っていたい。こんなささやかな願いも難しい時代かな。

(神聡子)