日本消費者連盟と遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーンがキユーピーに出した「ゲノム編集卵(アレルゲン低減卵)に関する再々質問状」に対して、同社から回答がありましたので掲載します。
「ゲノム編集卵(アレルゲン低減卵)に関する再々質問状」に対する回答書
2025年2月18日
キユーピー株式会社
質問1 論文に示された遺伝子の変異は、これですべてという理解でよろしいでしょうか。
回答1 全てということで認識しています。
質問2 オボムコイド遺伝子のエキソン1をゲノム編集で破壊しましたが、このエキソン1が他のたんぱく質の合成には使われていないという根拠はありますか。
回答2 オボムコイド遺伝子のエキソン1より生成されるタンパク質は細胞内で処理・分解される部分(シグナル配列を含む)であり、他のタンパク質に使われるという報告はないと認識しています。
質問3 オボムコイド遺伝子のエキソン3にストップコドンを入れて、エキソン1のゲノム編集によるフレームシフトで生ずる異質なたんぱく質の合成を止めたとあります。変異を起こしたエキソン1、エキソン2を含む本来存在しないアミノ酸配列の短いたんぱく質ができた可能性がありますが、そのチェックは行いましたか。
回答3 ご指摘の短いタンパク質が鶏卵内にできていないことを確認しています(詳細は、2024年6月20日付け回答書に記載の論文を参照ください)。
質問4 オフターゲットで変異した遺伝子間配列には他の遺伝子の発現調節に関わっている可能性はないでしょうか。
回答4 上述の論文でも示しているとおり、ゲノム編集による明確なオフターゲット変異は確認されていません。遺伝子間配列の変異は、すべて個体差の範疇(自然界で起こり得る範囲)と認識しています。
質問5 オボムコイドは卵白の約10%を占めるたんぱく質ですが、このたんぱく質の欠損によって鶏卵の質や後世代の鶏には大きな変化はないでしょうか。
回答5 アレルギー低減卵は、物性や風味など、通常の鶏卵とほぼ同等で調理や加工適性も問題なく有することを確認しており、論文・学会等で発表をしています。後世代の鶏についても、通常の鶏と生育状況(健康状態、産卵率等)は変わらないことを確認しています。
質問6 すでに実施された臨床試験によって、ヒトに対して急性の影響がないことは確認されたかもしれませんが、慢性の影響を調べるために動物実験を実施すべきと考えますが、どうお考えですか。
回答6 上述のとおり、アレルギー低減卵は通常の卵とオボムコイドを含まない以外、大きな差はないこと等を確認しており、国の指針に準拠し、動物実験は不要(実施が必要な科学的合理性がない)と認識しています。ただし、行政から動物を用いた評価が必要とのご判断をいただいた場合は、その限りではありません。
質問7 「ゲノム編集部を製品に使うのはやめてください」と書いたハガキや、お客様窓口や問合せフォームに同様の声は届いていますか。その声をどのように受け止め、対応するご予定ですか。
回答7 ゲノム編集技術によるアレルギー低減卵については、ご不安の声を頂いている一方で、卵アレルギーでお困りの消費者の方々からは切なるご要望の声など、様々なご意見を頂いています。今後も消費者の皆様の声に耳を傾け、表示などよる選択肢の提示なども考慮しながら、慎重に検討を重ねていきます。
質問8 カナダでも同様のキャンペーンが行われていることをご存じでしたか。その声をどのように受け止め、対応するご予定ですか。
回答8 国により様々な状況や考え方があることは認識しています。国際的には、当該国の法令を遵守し、慎重に検討を重ねていきます。
以上