日本消費者連盟
すこやかないのちを未来へ
企業や国家の利益よりも、人のいのちや健康を優先する世の中にしたいと活動しています。

【質問状】人工芝についての公開質問状(2023年 3月20日)

2022日消連第16号

2023年 3月20日

 

東京都教育庁

教育長 浜 佳葉子 様

 

特定非営利活動法人 日本消費者連盟

共同代表 亀山 亜土

共同代表 佐々木 ミヨ子

共同代表 マーティン・フリッド

 

人工芝についての公開質問状

 

私たちは、安全・安心な暮らしのために活動する消費者団体です。

東京都は、「教育環境の一層の充実のため、都内全公立小中学校の校庭等の芝生化を推進」しているとのことですが、最近では天然芝でなく人工芝の校庭をよく見かけるようになりました。しかし近年、プラスチック汚染が深刻化していることから、プラスチック使用削減の取組が世界中で進められています。特に人工芝は、川で見つかる最も多いマイクロプラスチックです。また最近では、人工芝が大気のマイクロプラスチック汚染の一因にもなっている可能性のあることが、早稲田大学の大河内博教授により指摘されています。

つきましては、下記についてお尋ねしたいと思いますので、4月20日までにご回答頂ければ幸いです。なお、ご回答につきましては、団体のホームページ等で公開します。

 

1.校庭芝生化事業の主な目的を具体的にお教えください。また、人工芝はその目的達成に有効だとお考えですか。例えば、子どもたちが自然とつながる場として人工芝はふさわしくないと思いますが、いかがでしょうか。

 

2.校庭芝生化事業は元々「緑の東京10年プロジェクト」の一環で、ヒートアイランド対策だったと聞いています。人工芝でもヒートアイランド対策として機能しますか。

 

3. 人工芝はやがて劣化し、張り替えが必要になります。張り替え後の人工芝は、そのままでは燃やすこともリサイクルすることもできない処理困難物で、その多くは最終処分場に埋め立てられています。処理について、都としてどのようにお考えですか。

 

4.校庭芝生化に係る経費に対し、都から補助金が出ています。人工芝を敷く場合でも補助金は出るのでしょうか。また、もし人工芝も補助対象であるならば、見直しが必要だと思います。いかがでしょうか。

 

5.東京新聞(2021.7.1)に「都教育庁によると、人工芝の校庭は23区の区立小約120校で採用」、足立区では「区立小学校69校のうち28校が採用」と書かれています。現在、23区の公立小中学校のうち人工芝は何校、天然芝は何校ありますか。できましたら、区毎にお教えください。また、23区以外の都内小中学校の状況もお教えいただければ幸いです。

 

6.校庭芝生化事業で使われる人工芝には、ゴムチップなどの充填材も使われていますか。

 

7.人工芝や充填材が水環境中に流出しない対策が必要ですが、各学校でそのような対策は講じられていますか。

 

質問は以上です。ご多忙とは思いますが、ご回答いただけますよう、よろしくお願いいたします。

 

※環境関連調査を手がけるピリカが、2020年4月から21年3月にかけて河川や港湾など国内120地点のマイクロプラスチックを調べたところ、人工芝が23.4%と最多だった(日本経済新聞2021.3.26)。

 

質問状はこちら

https://nishoren.net/cuj/wp-content/uploads/2023/03/e085cd5672e697ba76563f1ec1f99abf.pdf