2020日消連第5号
2020年5月21日
独立行政法人 国民生活センター
理事長 松本恒雄様
特定非営利活動法人 日本消費者連盟
共同代表 天笠啓祐
共同代表 大野和興
「柔軟仕上げ剤のにおいに関する情報提供(2020年)」に関する要望書
日頃より消費者行政にご尽力くださり、厚くお礼を申し上げます。
さて、2020年4月9日に公表された標題の情報提供をありがとうございました。内容を拝読した結果、疑問が生じましたので、下記のように要望いたします。本来なら伺って要望すべきところですが、緊急事態宣言が延長になっていることから、5月末日までに下記の担当者宛、要望内容についての文書回答をいただきたくよろしくお願い申し上げます。
記
1)「強く反応してしまう人がいる」、においのないVOC成分についての分析結果を公表してください。
・2013年の情報提供では「香料原料のほか香料の溶剤等」とVOCが例示されています。今回の情報提供からは、においの強いものよりも、においのないVOC成分の方が、健康に影響を与えそうだと読み取れます。においのないVOC成分と健康被害の関係を調査すべきです。「香りの強さの目安」表示を業界に要望しても、意味をなさないと思います。
2)次回テストでは、被害相談の多い「夏の外干し」に近い条件下で、全メーカーの揮発成分を計測・分析してください。併せて、香りマイクロカプセルの挙動を観察し、付着・残存状況等の調査も行ってください。
・マイクロカプセルが、摩擦・温度上昇・紫外線等で壊れることで生じるVOCについてテストされておらず、被害実態に即していません。マイクロカプセルが浮遊・付着・残存することでの健康被害も、多く見聞されるところであり、環境への影響についても懸念されています。
3)香料による健康障害が生じていることを、より一層周知・啓発するために、消費者庁・国民生活センター自らが、香料自粛の啓発ポスターを作成してください。
・本年5月19日現在、香料自粛のポスターを作成している自治体は48、ホームページで香料自粛を呼びかけている自治体は86もあります。(「香害をなくす連絡会」調べ)。
消費者を守るための省庁である消費者庁と国民生活センターは率先して作成してください。
以上
国民生活センターの発表はこちら
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20200409_2.html
日本消費者連盟の要望書はこちら