運営委員のメンバーで、改めて日消連の創設者・竹内直一さんの『食べものは商品じゃない―すこやかな命を未来へ―』を読んで意見交換する会を持ったことがあります。
1970年代、公害列島といわれた環境汚染の真っただ中で告発型の消費者運動を実践され、食べものや化粧品・洗剤問題などで、企業を相手に鋭く切り込まれた竹内さんの思いは、この著作のタイトルによく表されています。個別テーマごとに政治的には超党派で臨むこと、一切企業からは援助を受けず、財政は会費や購読料など自主独立とすることなど、「運動の柱」のあり方も述べられています。
当時学生だったぼくが初めて竹内さんをお見かけしたのは、「反原子力週間‘77」の集会でした。竹内さんは、原発現地での誘致阻止の闘いに呼応して、電力大量消費地・東京で消費者団体や住民グループによる反原発共同行動を提唱されました。
日消連結成以来50有余年、多くの会員の方々に支えられて、今日まで本当によく続けてきたものだと率直に感じます。平和を妨げ、いのちとくらしを脅かす一切のものを認めないことが消費者運動だという原点に立って、さらに10年・20年・30年と次世代に受けつないでいかなければと改めて思います。
(亀山亜土)