日本消費者連盟
すこやかないのちを未来へ
企業や国家の利益よりも、人のいのちや健康を優先する世の中にしたいと活動しています。

【質問状】第50回衆議院議員総選挙にあたっての公開質問状(2024年10月7日)

 

日本消費者連盟(日消連)は2024年10月27日の衆議院議員選挙を前に、投票の参考にすべく、各政党に下記の質問状を送付しました。質問は、日消連が取り組む「食の安全」「食料と農業」「原発・エネルギー」「環境」「香害」「平和」について。送付先は、自由民主党、立憲民主党、公明党、日本維新の会、日本共産党、国民民主党、社会民主党、れいわ新選組、NHK党、参政党の10政党です。

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2024日消連第19号
2024年10月7日

政策担当者様

特定非営利活動法人日本消費者連盟
共同代表 亀山 亜土
共同代表 佐々木 ミヨ子
共同代表 マーティン・フリッド

 

第50回衆議院議員総選挙にあたっての公開質問状

私たち日本消費者連盟は1969年創立の消費者団体です。創立以来、「すこやかないのちを未来につなぐ」をモットーに食の安全や環境、平和を守るために活動しています。
さて、10月27日に予定されている衆議院議員選挙に際し、投票の参考にすべく、私たちの暮らしに関わる諸問題について、貴党の見解をお聞かせいただきたく、以下質問します。
お忙しいところ恐れ入りますが、10月16日までにご回答をお願いいたします。本文書の末尾にご回答用QRコードを掲載しています。必要に応じてご利用ください。なお、ご回答は当団体の機関誌やホームページ、SNSなどで公表します。

■食の安全に関する質問
(質問1)食品添加物や農薬、遺伝子操作食品(遺伝子組み換え食品やゲノム編集食品)などの安全性評価は大きな不確実性を持っています。EUでは予防原則による規制も導入されており、日本でも予防原則(※)を導入すべきと私たちは考えます。これについてどう考えますか。以下から1つ選んで番号に〇を付け、その理由をお聞かせください。
①予防原則を導入して食の安全政策を抜本的に改善すべき
②現行の安全性評価は科学的に問題なく、継続すべき
③その他(                                  )
選択した回答の理由をお書きください。

※予防原則とは、化学物質や遺伝子組み換えなどの新技術などに対して、環境に重大かつ不可逆的な影響を及ぼす恐れがある場合、科学的に因果関係が十分証明されない状況でも、規制措置を可能にする制度や考え方のこと。

(質問2)遺伝子組み換え食品やゲノム編集食品の表示において、EUでは科学的検証(最終食品の検査)だけでなく、社会的検証(トレーサビリティや書類審査、立入り検査)で表示が実施または予定されています。日本でも社会的検証を取り入れ、ゲノム編集食品の表示や原料原産地表示を義務付けるなど、食品表示制度を改善すべきと私たちは考えます。これについてどう考えますか。以下から1つ選んで番号に〇を付け、その理由をお聞かせください。
①社会的検証を取り入れて食品表示制度を抜本的に改善すべき
②現行の表示制度に大きな問題はない
③その他(                               )
選択した回答の理由をお書きください。

■食料と農業に関する質問
(質問3)世界的な気候変動、紛争勃発などにより、食料供給の不安定性が高まり、価格も高騰しています。日本は2022年度の食料自給率が38%(カロリーベース)と先進国の中でも最低水準です。特に自給率が低い麦や大豆、飼料の自給向上が求められています。食料自給率の目標値と、その達成時期、そのための具体的な政策をお聞かせください。
自給率の目標値(    %)
上記目標値の達成時期(     年)
目標達成のための具体的な政策をお書きください。

(質問4)学校給食の食材に有機農畜産物を導入する有機給食が広がっています。子ども達の安全・安心な食とともに、農林水産省の「みどりの食料システム戦略」で掲げる「2050年までに有機農業の取組面積の割合を25%に拡大」の実現のためにも、有機給食の推進や、有機給食の無償化が有効だと思います。これについてどう考えますか。以下から1つ選んで番号に〇を付け、その理由をお聞かせください。
①有機給食と併せてその無償化を国の支援で進めるべき
②有機給食と併せてその無償化を自治体が独自に進めるべき
③有機給食は国が支援して進めるべきだが、無償化は必要ない
④有機給食は自治体が独自に進めるべきだが、無償化は必要ない
⑤有機給食は必要ない
⑥その他(                                )
選択した回答の理由とそのための政策をお書きください。

■原発・エネルギーに関する質問
(質問5)東京電力福島第一原子力発電所事故から13年が経過しましたが、いまだ2万6千人の住民が避難生活を強いられています。しかしながら、政府は脱原発を決断せず、原発再稼働や新増設をすすめています。原発政策についてどう考えますか。以下から1つ選んで番号に〇を付け、その理由をお聞かせください。
①全ての原発を順次停止し、近い将来、原発ゼロをめざす
②既存の原発で安全生を確認し、一部は再稼働を行う
③再稼働に加えて、新増設も実施する
④その他(                                    )
選択した回答の理由をお書きください。

(質問6)政府は現在第7次エネルギー基本計画案を検討中ですが、GX脱炭素電源法の成立を受けて、福島第一原子力発電所事故後に策定された「原発の新増設は行わない」との方針を180度転換して、原発の再稼働・原発の新増設など「原発を最大限活用」する方向へと進みつつあるように思われます。将来のエネルギーのあり方についてどのように考えますか。以下から1つ選んで番号に〇を付け、その理由をお聞かせください。
①再生可能エネルギーの比率を拡大し、近い将来、再エネで全エネルギーをまかなう
②可能な限り原発依存度を低減すると明記されている第6次基本計画案を踏襲するべき
③原発の最大限活用を第7次基本計画に盛り込むべき
④その他(                                    )
選択した回答の理由をお書きください。

■環境に関する質問
(質問7)2022年3月の国連環境総会で、プラスチック汚染を終わらせるために法的拘束力のある国際条約をつくることが決まりました。条約の内容を議論する最終会合が11月に韓国で行われます。どのような条約にすべきか、望ましいと考える内容を以下から選んで番号に〇を付けてください(複数選択可)。「その他」の場合は、具体的にお書きください。
①プラスチック生産量を大幅に減らす
②プラスチックに含まれる有害化学物質を規制する
③リサイクルを推し進める
④リサイクルよりリユースやリペア(修理)の機会を増やす
⑤拡大生産者責任を明確にする
⑥プラスチックは有用なので、何もする必要はない
⑦その他(                                )

(質問8)PFAS(有機フッ素化合物)について、アメリカでは法的拘束力のある飲料水中の基準値を、PFOS・PFOAは4ng/L、PFNAやPFHxSなど他の3種類のPFASと、2種類以上のPFASの混合物質については10ng/Lと設定しました。欧州連合では、1万種類すべてのPFASを1つのグループとして捉え、原則全面的な製造・販売を禁止する法案を検討中です。一方、日本のPFAS暫定目標値は、PFOSとPFOAが合計で50ng/Lという緩い状態です。今後、日本はどのようにすべきだと考えますか。望ましいと考える内容を以下から選んで番号に〇を付けてください(複数選択可)。「その他」の場合は、具体的にお書きください。
①基準値をアメリカ並みに厳しく設定する
②欧州連合のように原則全面的に禁止する
③将来的にはPFAS全般を禁止すべき
④今のままでよい
⑤その他(                                )

■香害(※)に関する質問
(質問9)香害による被害の声が、消費生活相談に寄せられ続けているため、2021年から、国の5省庁(消費者庁・文部科学省・厚生労働省・経済産業省・環境省)は、香りへの配慮を促すポスターを作成し、周知を行っています。しかし、香害は、消費者の使用法の問題ではなく、製品に含まれる化学物質の安全性の問題です。科学的解明を待たずとも、予防原則に基づき、規制を含め、香害を生む製品への国の対応が必要だと思います。この考えに賛成ですか。「その他」の場合は、具体的にお書きください。
①はい
②いいえ
③わからない
④その他(                                  )
※香害(こうがい)とは、柔軟剤・消臭除菌スプレー・制汗剤・芳香剤・合成洗剤など、主に香りのある製品による健康被害のことを言います。体臭は含まれません。香りの好き嫌いの問題ではなく、製品の化学物質による複合的な空気汚染公害です。

(質問10)日用品やパーソナルケア製品から揮発する香料や消臭抗菌成分などの化学物質が充満することで、公共施設の利用や、集まりへの参加の機会を奪われている人々が存在します。退職、失業、不登校となる事例も多数です。この現状は、共生社会実現を目指している障害者差別解消法の趣旨に反します。厚生労働省の研究班でも、「生活衛生上、香料の使用は十分に考慮される必要がある」との考えを示しています。共生社会の実現を目指すために、学校、医療機関、公共施設などでの空気のバリアフリー化が必要だと思います。この考えに賛成ですか。「その他」の場合は、具体的にお書きください。
①はい
②いいえ
③わからない
④その他(                                  )

■平和に関する質問
2022年12月に、安保3文書の改定で、敵基地攻撃能力の保有と防衛費を5年間で43兆円 、GDP2%に拡大することが閣議決定されました。この動きについて見解を伺います。
(質問11)敵基地攻撃能力の保有について、どのようにお考えですか。以下から選んで番号に〇を付けてください(複数選択可)。「その他」の場合は、具体的にお書きください。
①戦争放棄をうたった平和憲法のもとでは認められない
②憲法9条を専守防衛と説明してきた政府解釈に反するので認められない
③改定安保3文書に記載されているように専守防衛の範囲の能力を持つことだから問題ない
④日本国憲法との齟齬があることは事実なので、憲法を改正して、憲法9条を専守防衛と解釈せずに、安保3文書でも敵基地攻撃能力保有と明記すべき
⑤その他(                                   )

(質問12)防衛費を5年間で43兆円、GDP2%に拡大することについて、どのようにお考えですか。以下から選んで番号に〇を付けてください(複数選択可)。「その他」の場合は、具体的にお書きください。
①そもそも軍隊のないはずの日本で防衛費は必要ない
②これまでの政府解釈である専守防衛に必要な最低限に抑えるべき
③第二次安倍政権より前の水準を維持すべき
④世界的なテロ行為の増大、覇権国家の脅威が増している中で拡大は当然である
⑤東アジアの力の均衡、日米軍事同盟における日本の役割からして妥当である
⑥GDP2%は国際水準からしても低い。もっと上げるべき
⑦その他(                                  )

以上