【回答】グリホサートの取り扱いに関する再質問状への大阪よどがわ市民生協の回答(2021年1月29日)

2021年1月29日

特定非営利活動法人日本消費者連盟
共同代表大野和興様
共同代表瀬瀬美千世様

大阪よどがわ市民生活協同組合
組合員の声推進部

グリホサートの取り扱いに関する再質問状への回答について

拝啓
時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
再質問状を確認させていただきました。個々の質問の背景には貴連盟と私ども生協と化学物質の評価の考え方についての大きな違いがあると思いましたので、前回の回答と重複する内容も含みますが、その点について回答させていただきます。何卒ご了承をお願いいたします。

敬具

○化学物質を適切に管理する上では、ハザード評価を踏まえたリスク評価が重要であると考えます。

化学物質のリスク評価は、一般的に、次のような手順で行われています。
手順① どのような毒性があるかを整理する(有害性確認)
手順② 有害影響が出ない量を判断し許容量を評価する(用量反応評価)
手順③ その化学物質をどのくらい摂取しているか評価する(曝露評価)
手順④ ②と③を比較し、どの程度のリスクがあるか判定する(リスク判定)

2015年のIARCの発表は、上の説明で言えば手順①の有害性確認を行い赤肉(牛肉や豚肉など)などと同じ分類としたものです。実際に人々にがんを引き起こすかについては、あくまでどの程度曝露するかの量の評価を行う必要があります。

そこで、国際機関や各国のリスク評価機関が改めて量の評価を含めてグリホサートの発がん性について検討しましたが、多くの機関が「発がん性はありそうにない」との結論を公表しています。

○化学物質のリスク評価では、幅広い科学的知見を収拾した上で、データの質を踏まえて情報を精査し、評価することが重要と考えます。

ご指摘のように、グリホサートの発がん性や毒性については様々な論文やデータがありますが、グリホサートに限らず、化学物質の毒性について相反する情報が存在することもあり得ます。

こうした場合にリスク評価を行うにあたっては、ひとつの論文やデータのみによって結論を出すのではなく、様々な論文やデータを精査して毒性を評価することが大切であると考えます。データの質には様々なものがあり、これを検討し重み付けを行った上で評価をし、そして、新しい研究結果が公表された場合には、同様にそのデータの質を検討して重み付けを行い、既存の結論に影響を与えうるかを判断することです。

ご指摘の論文についてもリスク評価機関にて詳細な検討がなされたものもありましたが、結果的に各国のリスク評価機関の評価に影響するものではありませんでした。もちろん、このようなリスク評価機関の結論についても無条件に採用するのではなく、それぞれの評価内容から判断することが大切と考えています。

前回の質問状の回答書は、関係団体と連携をとり、世界のリスク評価の動向について情報収集し、意見交換をしながら作成いたしました。可能な限りの情報を集めた上での評価・判断であって、決して農薬メーカーの言い分や政府の基準を守っていれば良いという姿勢ではありません。何卒ご理解をお願いします。

また、報道や裁判、欧州での規制の動きもありますが、これらは科学的なリスク評価と必ずしも軌をーにするものとは限らないものと考えます。私たちは、可能な限り最新の科学的知見に基づき、取扱商品の是非を判断していきたいと考えます。

○今後とも最新情報の収集を行い、事業上の対応の見直しゃ組合員とのリスクコミュニケーションの推進に努めたいと考えています。

以上のように、グリホサートの安全性に関する様々な評価を踏まえますと、現時点では特別な対応が必要な状況ではないと考えております。

ただ、グリホサートについては様々な情報が存在し、多くの人が不安を抱くことは十分に理解できます。だからこそ幅広い科学的知見を踏まえたリスクコミュニケーションが必要と考えております。

引き続きよどがわ市民生協では、組合員の声に寄り添い、最新の科学的知識の収集に努め、商品供給や情報提供に活かしてまいります。何卒よろしくお願い申し上げます。