日本消費者連盟
すこやかないのちを未来へ
企業や国家の利益よりも人のいのちや健康を優先する世の中に変えたいと活動しています。

運営委員ブログ

【編集委員ブログ】崩壊性プラスチックというゲテモノ(2018年8月6日)

  プラスチックは本来もろいものです。そのもろさを補うために紫外線防止剤や難燃剤、可塑剤など数多くの添加剤が開発されてきました。1960年代終わりから1970年代前半にかけて、プラスチック公害が深刻化しました。プラスチックの基本は使い捨てです。そのためごみ問題が深刻化し、東京都のごみが大量に捨てられていた夢の島では自然発火するプラスチックが燃えさかり、有害ガスを発生させていました。 &n…

【編集委員ブログ】ナノテクノロジー(2018年7月9日)

  私たちが日常つき合っている単位は、せいぜいミリメートルまでです。それより1000分の1がマイクロメートル (μm)、さらに1000分の1がナノメートル(nm)、さらにピコメートル(pm)、フェムトメートル(fm)、アトメートル(am)とつづきます。 もし1ナノメートルを1cmで表わすと、ハガキの大きさは、実に日本の国土の4倍になってしまいます。遺伝子を作っているDNAの大きさが2ナノ…

【編集委員ブログ】食品産業とスーパー(2018年6月12日)

スーパーの先駆けといわれているのが、東京の紀ノ国屋(1953年)や北九州の丸和(1956年)だ。当時は「安かろう悪かろう」の代名詞のように言われ、スーと現われてパーと消えると皮肉られた。それが大きく変わるのが高度成長の始まりと流通革命と呼ばれた交通網の発達による輸送力の拡大だった。もう1つ忘れてはいけないのが、食品添加物の登場である。添加物が30近くも入れられた安価で長持ちするパンが作られるように…

【編集委員ブログ】農林漁業を守る仕組みが壊されていく(2018年6月5日)

  農林漁業の制度的仕組みが次々と改変されています。昨年の種子法廃止に続いて農地法一部改正、卸売市場法改正、森林管理法の制定、漁業権見直し案など成立したり成立寸前だったりしています。 いずれも、これまで国や自治体など公的な枠組みのもとで運営されていたものに、民間企業の参入を認めようというものです。種子法でいえば、コメ、ムギ、ダイズという基本食料は従来育種から種子生産、配布に至るまで都道府…

【編集委員ブログ】香害110番から見えてきたもの(2018年6月1日)

  香害に苦しむ人を対象にした電話相談「香害110番」を実施してから、50近いメディアの取材を受けました。生活情報番組では、「香りでこんなに苦しんむなんてびっくり」「私も困っている」などと出演者にコメントさせ、最後に香害の主要因となっている芳香柔軟剤は、「規定の使用量を守りましょう」とまとめます。その規定量でも健康障害が起きているのだから、それでは解決につながらないのに。使用量を守らない…

【編集委員ブログ】大切なのは「子どもの都合」(2018年5月24日)

  「子どもたちの食べものを守りたい」という母親たちが集まってつくったネットワークがあります。食べもの変えたいママプロジェクト、通称「食べママ」。きっかけは、昨年3月に来日したゼン・ハニーカットさんの「危険な食べものから子どもを守れるのは私たち母親よ!」の一言でした。ゼンさんは米国で「Moms Across America(全米のママたち)」という団体を立ち上げ、遺伝子組み換え食品反対運…

【編集委員ブログ】台北ドーム顛末記(2018年5月12日)

  台湾に行く機会がありました。台北の中心部に工事が中断したまま、鉄骨を風にさらした巨大なドームがありました。周りを高いフェンスに囲まれ、異様な姿をさらした巨大廃墟です。完成すると野球などが行われる「台北ドーム」になる予定でした。ショッピングモールも併設され、賑わうはずでしたが、いま工事は行われていません。 計画には無理がありました。ただでさえ地盤が弱いところに、「まず建設ありき」で工事…

【編集委員ブログ】かこさとしさんの絵本「たねからめがでて」(2018年5月10日)

  絵本作家のかこさとしさんが亡くなられました。こどもたちにとても素敵な絵本をたくさんプレゼントした92年の生涯でした。各紙とも大きく取り上げています。代表作として共通してあげているのは、「からすのパンやさん」「だるまちゃんとてんぐちゃん」です。 しかしぼくにとっての代表作は、科学者でもあるかこさとしさんの「かがくの本」のひとつである「たねからめがでて」です。この本を読んで種好きになった…

【編集委員ブログ】置いてけぼりの日本(2018年5月1日)

  韓国と北朝鮮の歴史的な首脳会談では日本は完全に置いてけぼりをくいました。圧力の必要性を強調するばかりでは、外交は立ち行かないことを証明した格好です。それはさておき、遺伝子組み換え問題でも日本は置いてけぼり状態です。   日本では、食品に遺伝子組み換え原料を使っていても、表示義務が課せられているのは原料全体に占める割合が上位3位まででかつ全重量の5%以上のものに限られています…

【編集委員ブログ】特許室(2018年4月23日)

  1970年代、企業の技術者になった私の知人・友人の多くが特許室に配属させられました。これは左遷を意味していました。その部屋では、時間を持て余す日々が続いたといいます。ガラッと変わるのが1980年代です。米国政府が国家戦略に知的所有権を掲げたからです。日米間で紛争が激発します。例えば光ファイバー、オートフォーカス技術などの特許の分野、コンピュータ・ソフトなどの著作権の分野で、日本企業が…