日本消費者連盟
すこやかないのちを未来へ
企業や国家の利益よりも人のいのちや健康を優先する世の中に変えたいと活動しています。

運営委員ブログ

【編集委員ブログ】工場野菜のほうが安全で環境に優しい?(2018年4月16日)

  日本経済新聞の電子版に「あなたも食べてる工場野菜」というコラムが載っていて、興味に駆られて読んでみました。工場野菜とは、野菜工場で育てられた野菜のことです。野菜工場とは、お日様が照り、雨が降り、風が吹く外界と処断した空間で、太陽光の代わりに発光ダイオード(LED)照明などの人工光で野菜を育てる工場のことを言います。ここでは空気の流れも遮断されます。   この記事は日本政策金…

【編集委員ブログ】矛盾は矛盾として(2018年4月2日)

  消費者リポート3月号は、「忘れつつある人たちへ 原発事故による健康影響はこれから」という特集でした。自然と忘れてしまった人も、忘れさせられている人も、忘れるしか方法がなかった人も、どれも1人の人間の中にあるものとして取材をしました。そういえばという人も、何で今さらという人も、煽るな蒸し返すなという人も、いることを承知しています。   科学的に証明されていないことに文句を言う…

【編集委員ブログ】そこまでして食べたいですか?(2018年3月26日)

  照射ジャガイモを知っていますか? ジャガイモの芽が出ないように、放射線を照射したもので、端境期の2~5月頃に出回ります。ただ、照射ジャガイモの流通実態はよくわかっていません。そこで、日本消費者連盟も参加する「照射食品反対連絡会」(※)は照射ジャガイモを見つけたら連絡会に通報するよう呼びかけています。 日本は食品への放射線照射を原則、禁止していますが、唯一の例外としてジャガイモの芽どめ…

【編集委員ブログ】絶対表示の掟破り(2018年3月19日)

  食品表示には、絶対表示と呼ばれるものがあります。その代表が「無塩」や「無糖」です。それだけ見ると、塩分が入っていない、糖分が含まれていないと思ってしまいます。しかし、実際はそうではありません。無塩あるいはナトリウムレスの場合は、塩分が100g(100ml)あたり5mg未満まで認められています。無糖も同様です。糖分が100g(100ml)あたり5mg未満まで認められています。カロリーゼ…

【編集委員ブログ】種を制度と経済だけで語ることへの違和感(2018年3月16日)

  昨年2月に主要農作物種子法(以下、種子法)が廃止されて以来、種子を巡る論議がとても盛んです。種子法廃止は農や食のあり方に関わる大事な問題で、論議が巻き起こること自体はとても喜ばしいことなのですが、いくつかの点で違和感も覚えています。 種を巡っては、これまで多くの個人やグループが伝統種の採取や保存に取り組み、現実の農業生産に貢献するなど成果をあげています。ところが今盛り上がっている種子…

【編集委員ブログ】うちは打たせなかったわよ(2018年3月5日)

  消費者リポート2月号の特集は、「終わっていない子宮頸がんワクチン禍」でした。深刻な副反応を引き起こすワクチンが、いまだに中止にならないどころか、また復活しそうな気配だという内容でした。 このワクチンには苦い思い出があります。国による積極的な接種勧奨が始まった2013年より1年前、私が住む江戸川区では中学入学時に接種の通知が配布されていました。それまで無料接種のワクチンはすべて打たせて…

【編集委員ブログ】予防原則を知らない人たち(2018年2月26日)

  きっかけは昨年12月半ばに目にした新聞記事でした。子宮頸がんワクチンの安全性について執筆活動を続けてきたことを評価された医師でジャーナリストの女性がジョン・マドックス賞を受賞したという内容です。直後に厚生労働省が子宮頸がんワクチンに関する最新情報をウェブサイトで提供することを決めたとする記事を目にし、嫌な予感がしました。もしかしたら、子宮頸がんワクチン接種による被害をなきものにしよう…

【編集委員ブログ】仮想通貨は犯罪の温床(2018年2月19日)

  仮想通貨がいま、犯罪の温床になりつつあります。仮想通貨とは、もともとインターネットでやり取りするお金のことです。そのお金をコインチェックなどの取引所から円やドルで購入します。取引所には、コインチェック以外に、ビットフライヤー、ビットバンクなど多数あります。購入した人は、その仮想通貨を電子財布「ウォレット」をネット上に作成して保有します。いわば銀行預金にあたるものです。その財布から、ス…

【編集委員ブログ】ブドウ園を山に戻す(2018年2月14日)

雪の山形を歩いてきた。本業は農業記者なので、現場を訪れ、当事者の話を聞かなければ、どうにもならない。そうやって国内とアジアの村を半世紀以上歩いてきた。 風景も田んぼのようすも、以前とあまり変わったとは見えないが、農業も農村も急速に変化している。やはり現場を踏み、そこに生きる人に会わなければ本当のことはわからない。 もう40年近い付き合いになる置賜百姓交流会の面々と飲んだ。地域でさまざまな社会運動に…

【編集委員ブログ】「できない」では、できるわけがない(2018年2月5日)

最初から結論ありきの議論だったのでしょう。2017年4月から1、2カ月に1回のペースで行われている消費者庁の「遺伝子組換え表示制度に関する検討会」のことです。 現在の制度では遺伝子組み換え食品を食べたくないと思っても避けることができません。義務表示の対象品目が限られているからです。私たち消費者は、表示を見て選べる制度にしてほしいと要求し続けてきました。しかし、2017年11月27日の当ブログにも書…