日本消費者連盟
すこやかないのちを未来へ
企業や国家の利益よりも人のいのちや健康を優先する世の中に変えたいと活動しています。

運営委員ブログ

【運営委員ブログ】謎のT・K(2022年3月15日)

  最近発行された創刊百周年号の「週刊朝日」に、「松本サリン事件」との関連で私の名前の記載があります。1994年6月27日、長野県松本市でサリンによる無差別殺人事件が発生しました。その翌日に、朝日新聞の記者から、国際基督教大学で有機リン化学の研究を行っていた私のところに問い合わせがありました。私は、「現在使われている有機リン系の農薬で、これだけの死者が出ることは考えられない。有機リン系農…

【運営委員ブログ】田んぼやってます(2022年2月18日)

  2018年から住まいのある埼玉県飯能市で田んぼを5人でやっています。きっかけは、「種子法廃止」。2018年4月1日に種子法は廃止されてしまいましたが、2017年の秋に飯能市で消費者団体連絡会が主催した講演会「種子(たね)は誰のもの?」に出席し、山形県新庄市の農家、高橋保廣さんのお話を聞いたのです。   高橋さんは、在来種「さわのはな」を作り続ける代々の米つくり農家です。よく…

【運営委員ブログ】六ケ所村元村長・故寺下力三郎さん(2022年1月7日)

    年の瀬に古い本や資料などを整理していたら、青森県六ケ所村の元村長・寺下力三郎さんの講演記録が出てきました。青森県が核燃料サイクル施設の受け入れを決定した1985年に東京で開催された集会のものでした。   1971年、国の新全国総合開発計画の一環で、突如襲ったむつ小河原巨大開発に、当時村長の寺下さんはいち早く反対を表明。開発反対の機運は一気に高まりましたが、73…

【運営委員ブログ】農仕舞い(2021年12月21日)

  各地に百姓の友人がいるので、盆暮れには生産物をいろいろ送ってくれる。お返しは秩父の酒と豚肉の味噌漬け、それに自身の生産物である本をおまけに付ける。   今年異変が起こった。みんな40年、50年の付き合いで、同じように年を取ってきた。その彼らが荷物の中に入れてくれる手紙で、「送れるのは今年が最後です」と書いてくる。岐阜の柿、紀州のミカン、高畠のブドウ、新潟のもち、三里塚の豚肉…

【運営委員ブログ】日本の農業がなくなっていいのか(2021年11月30日)

  先日、レイバーネット日本という団体の、定期発信動画(レイバーネットTV)を見ました。「日本の農業がなくなっていいのか!コメ大暴落と『貧民連合』」と いう番組です(11月17日放映→http://www.labornetjp.org/tv)。日本消費者連盟・共同代表の大野和興さんの司会の下、山形の農家・菅野芳秀さんと新潟の農家・天明伸浩さんが、それぞれ一段と深刻化した農業の現状を訴える…

【運営委員ブログ】年よりの独りごと(2021年11月12日)

  年齢を重ねてくると、何をするにも気合いを入れなければ、行動が伴わない。若い時にはさっと身体が動いたのに、いやに慎重になり、ゆっくりの動きとなってきました。老いを自覚するのは何気ない時です。電車やバスに乗って席を譲っていたのが、最近は席を譲られ、「ああ、そんな年齢になったんだ」としみじみ感心します。そして、少しの段差にもつまづいて、かろうじて転ばずに済んだりしてほっとしたりします。 そ…

【運営委員ブログ】化学物質過敏症の悩み(2021年10月11日)

    私は化学物質過敏症で、困っています。最近、郵便や宅配便の配達人の方が強烈な匂いを発していたり、車検に出した後の車の中が強烈に匂ったり、一番困るのが仕事関係で会う方がくさい…。おそらく本人は、香り控えめなつもりだと思うのですが、私の化学物質過敏症が、最近、悪化しているらしく、強烈な香りがなくてもある特定の方の近くにいると気分が悪くなるようになりました。会わなくてもすむ人だ…

【運営委員ブログ】日本で2つめのゲノム編集食品の届け出(2021年9月30日)

  高GABAトマトに続き、遺伝子の一部を人工的に操作した「ゲノム編集食品」の2つめの届け出が厚生労働省に出されました。筋肉の発達を抑えるミオスタチン遺伝子を壊すことによって、短期間で筋肉量が多くなるよう改良されたマダイです。   すでに様々な影響と懸念が指摘されていますが、ゲノム編集食品には安全性評価も環境影響評価も表示もありません。商業生産によって、実験レベルとは桁違いの量…

【運営委員ブログ】治山治水というけれど(2021年9月10日)

  今年の夏も集中豪雨に見舞われ、河川の氾濫や住宅地の水没などによる生活基盤の破壊は凄まじいものでした。河川の水は元来、その流域の人びとの暮らしの基盤で利用されながら、時にはその牙をむいて住民に襲いかかった歴史を重ねてきました。しかし、水無く水を求める地域住民と流域民との協力で、水を活用するための通水事業の歴史も刻まれました。   その1つが愛知用水です。水に困り雨水に頼らざる…

【運営委員ブログ】コロナと貧困(2021年8月25日)

    新型コロナ感染が終息どころか急拡大する中、各種メディアでコロナ禍による貧困の急速な広がりが取り上げられています。例えば「働いていたお店が休業となり収入が途絶えた」「派遣切りに遭って寮を追い出され住むところがない」「生活が苦しく生きる希望すらない」等々の声。今、日本人の6人に1人は貧困状態にあると言われています。   一刻も早く感染拡大を食い止め、医療崩壊を防ぎ…