【運営委員ブログ】小さな違和感から大きな気付きへ(2023年11月24日)
小学生の時、「なんで進歩しないといけないの?」と母に尋ねた。「何ばか言ってるの。進歩しなきゃだめでしょ。」と一蹴された。日本が高度経済成長を享受していた時代だ。進歩、成長、発展などの言葉が世の中にあふれていたが、「昔から変わらない良さや安心感もあるのに、変なの」と、小さな違和感を持っていたのだ。 解消されない違和感を抱いたまま高校生となり、資本論入門のような課題図書を読む機会があった…
【運営委員ブログ】体臭を消さないで(2023年10月19日)
思春期の頃、父のニオイは大嫌いでした。大人になり家を出て、たまに帰った実家でかぐ父のニオイは、頼もしく安心感を与えるものでした。死の床にあった父には、ニオイがなくなり病院の消毒臭ばかりでした。 微かな化粧品と料理のにおいが混じった優しいニオイは、母のニオイです。母は病弱で度々入院を繰り返していたので、母のニオイは涙を誘います。小学生の頃、入院中の母の布団に…
【運営委員ブログ】有機給食を求める強い風(2023年9月27日)
2022年秋ごろから有機給食を求める強い風が吹いていると感じていました。私は埼玉県飯能市の地元の「給食を考える会」で活動し、その参考にと日消連・食農部会にも参加しています。食農部会では、今年6、7月と有機給食を実施している自治体へのアンケートを実施しました。また「有機給食スタートブック」(農文協)の編者の1人である谷口吉光さんにインタビューし、消費者リポート10月20日号に掲載する予…
【運営委員ブログ】戦争とトラウマ(2023年8月25日)
今年6月、日消連は総会記念国際シンポジウム「アジアの平和を求めて市民がつながろう」を開催し、台湾、韓国から平和運動や消費者運動に関わる方を招きました。私も半年ぶりに静岡から東京に上京しましたが、直接対話する大切さを実感する1日となりました。 韓国人ジュ・ヨンホさんは、シンポジウムのスピーチの後にギターを演奏し、平和の歌を歌いました。その時、私が思い起こしたのはロシアの作曲家ショスタコ…
【運営委員ブログ】対面での講座の良さを実感(2023年7月27日)
新型コロナが5類感染症になって以降、少しずつ対面での学習会、集会が増えてきました。7月1日、「きれいな水といのちを守る東日本連絡会」の総会は、4年ぶりに対面で開催し、記念学習会は同志社大学准教授の原田禎夫さんに「海のプラスチック」をテーマに話していただきました。講師の表情を見て肉声を聞きながら、対面での講座の良さを実感しました。また参加者の中には、何年かぶりに顔を合わせることができ、…
【運営委員ブログ】創設者・竹内直一さんの思いを継いで(2023年6月22日)
運営委員のメンバーで、改めて日消連の創設者・竹内直一さんの『食べものは商品じゃない―すこやかな命を未来へ―』を読んで意見交換する会を持ったことがあります。 1970年代、公害列島といわれた環境汚染の真っただ中で告発型の消費者運動を実践され、食べものや化粧品・洗剤問題などで、企業を相手に鋭く切り込まれた竹内さんの思いは、この著作のタイトルによく表されています…
【運営委員ブログ】消費者団体の共同声明、一人ひとりの思いを聞きたい(2023年4月27日)
「敵基地攻撃能力(反撃能力)の保有と防衛費増大に反対する消費者団体の共同声明」への賛同が90団体になりました(4月18日現在)。https://nishoren.net/topic/17845 当初、主婦連と日消連が呼びかけた時は、ここまで賛同が広がるとは思っていませんでした。改めて賛同団体の名簿を見てみると、実に多彩な名前が並んでいます。それぞれにどのよ…
【運営委員ブログ】武力でなく対話を、独占でなくシェアを(2023年3月22日)
最近、知人から歴史原稿の校正を託された。紀元前の地中海世界でローマと戦った、カルタゴの雄『ハンニバル』が題材の大作だった。戦争の話ばかりを読む羽目になったが、図らずも、紀元前の社会と現代社会とで、人間は、何1つ変わっていないことを思い知らされた。 食料、資源、富を求めて、他所に侵略戦争を仕掛けたり停戦したり、同盟を結んだり破ったり。戦争に勝つために、人間の知恵が投入され、技術革新が進んでいく。(ア…
【運営委員ブログ】ささやかな平和外交(2023年2月15日)
私が住む北海道小樽市には、たくさんの観光客が訪れます。特に中国や韓国などアジアの国の観光客が多いです。駅近くの私の店「ワオキツネザル」(絵本と環境雑貨)の前では、皆さんが店を背景にして記念撮影をしていかれます。赤い壁に緑の三角屋根が珍しいからかもしれません。 今、日本は米国と手を組み、中国や北朝鮮を「仮想敵国」とみなし、国を守るための軍事費を増額すると決めました。さらに…
【運営委員ブログ】マイクロプラから逃げられない(2023年1月26日)
散乱したプラスチックのゴミ拾いを思い立ったのは、2021年1月3日でした。いつも通る車道から見えるゴミの正体をつかみたかったのです。川へ降りていく坂道の草の根本にはタバコの吸い殻が隠れていました。2019年10月の台風由来で吹き飛ばされた洗濯機の部品、畳、ござ、トタンなども埋もれていました。 仲間を募り、川ゴミ拾いを続けました。ちょうど時期が夏に向かう頃で、小学生も来て…